研究概要 |
1)家兎を用い、気管切開後サ-ボ900Bベンチレ-タにて人工換気を行なって、モルヒネ、ブプレノルフィン、ブトルファノ-ルについて肺気道ダイナミクスへの作用を観察した。ベンチレ-タの駆動及び酸素(空気)の供給は、平成2年度予算で購入した酸素空気コンプレッサ-を使用し、また気流量、気道内圧、換気量の測定は同様に購入した呼吸パラメ-タ測定装置を使用した。 結果:モルヒネは気道抵抗(R)を有意に上昇させた。この気道抵抗増大作用は、抗ヒスタミン薬の前処理により抑制された。ブプレノルフィン,プトルファノ-ルは共にRをほとんど変化させなかった。モルヒネの喘息患者への使用は禁忌であるが、他の二者は使用可能と思われた。 コンプライアンス(C)は、薬物投与を行なわない人工換気のみの群でも有意な低下がみられたので、薬物自体のCに対する作用はほとんどないものと思われた。 2)家兎を用い、ペントバルビタ-ルによる全身麻酔下に、腰部硬膜外腔ヘヒト小児用の硬膜外カテ-テルを挿入、留置した。麻酔から覚醒、回復後、1%リドカイン0,5mlをカテ-テルより注入し、その作用を観察した。 結果:前肢の知覚と運動は変化がみられなかったが、後肢は知覚及び運動の麻痺がみられた。それらの変化は硬膜外麻酔の発現を示しており、1時間以内にその効果は消失した。実験終了後、解剖して挿入したカテ-テルの走行を確認したが、ほとんどが正確に硬膜外腔へ留置されていた。
|