研究概要 |
1.前立腺EMBPの精製およびポリクロナル抗体の作成とその基礎的応用:ラット前立腺腹葉より45KDaEMBPをTSKーGELーHPLCおよびDEAE5PWーHPLC等を用いて高純度に精製し雌性家兎に免疫して特異性の高いポリクロナル抗体を作成した(Acta Urol.Jpn,1990)。その抗体を用いたRocket免疫電気泳動法により各種ホルモン環境下における前立腺各葉のアンドロジェン感受性について検討を加えた。前立腺各葉間にアンドロジェン依存性の大きな違いがあることを明らかにした(日本内分泌学会雑誌,1991)。 2.EMBP,3コンポネントの分離精製,モノクロナル抗体の作成とその応用:45KDaEMBPをSDS・PAGEで泳動した後に,C1,C2,C3コンポネントをゲル細片から電気泳動溶出器セントリリュ-タ(アミコン社)を用いて320Vの定電圧,1時間通電し,脱塩濃縮用チャンバ-・セントリコンに溶出させ(C1,C2に対してはセントリコン3を,C3に対してはセントリコン10を用いた),特定の遠心力をもって遠心・濃縮した。このようにして精製,回収したC1,C2,C3を以下の手段で定量・確認した。SDS・PAGE→セミドライブロッティング→免疫染色→デンシトメ-タ(丸善石油化学)。次に時間分解性蛍光免疫測定システムを完成させるために、C1,C2,C3を抗原としてBalb/Cマウスを用いて抗体を作成することを開始した(未発表)。 3.前立腺肥大症EMBPの精製:手術で摘出した前立腺肥大症組織の液体窒素凍結粉末を出発試料とし,陰イオン交換HPLC,ゲル濾過HPLC,レクチンアフィニティ-HPLC,SDS・PAGEを用いて前立腺肥大症EMBPの精製を試みた(未発表)
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