研究概要 |
1。EMBP抗体作成について:精製45KDa EMBPを雌性家兎に免疫してポリクロナル抗体を作成した。このポリクロナル抗体はラット前立腺腹葉および側背葉EMBPの3コンポネント(C1,C2,C3)を認識することがWestern blotting法によりあきらかにした。つぎにモノクロナルEMBP抗体産生ハイドブリド-マ株の作成をおこなった。クロニ-ングされた株の中には、C1コンポネント、C2コンポネント、C3コンポネントとそれぞれ別個に反応する抗体を産生するもの、全てと反応するものなどがえられた。 2。EMBPのヒト前立腺における免疫組織化学的検討:ヒト前立腺癌の腫瘍マ-カ-としてEMBPを用いるには、低濃度の血中EMBPを測定できる超高感度測定法が要求される。超高感度免疫測定法を確立するためにはヒト前立腺EMBPの異なるエピト-プを認識する2つ以上の抗体が必要である。そこで、ラットEMBPを抗原としてモノクロナル抗体の作成を試みたところ、幸いなことに20株以上のモノクロナル抗体産生株を手にすることができた。これらのモノクロナル抗体の中で免疫組織化学的手法で検索を進めたところヒト前立腺肥大症の腺上皮細胞を特異的に染色する2種類のモノクロナル抗体をみつけることができた。 3。メタロチオネインのヒト前立腺における検討:放射免疫化学的手法ならびに免疫組織化学的手法を用いて、ヒト正常前立腺および前立腺肥大症にメタロチオネインが存在するか否かについての検討をおこなった。各部位をradioimmunoassay法により比較検討すると、peripheral zone>>>preprostatic region>central zone>anterior fibroーmuscular stromaの順になった。前立腺肥大症のメタロチオネイン含量はperiーPheral zoneとpreprostatic tegionの間に位置する値であった。
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