1 正常および病的状態にあるヒト精巣を器管培養し、培養条件に応じたDNA、RNA、蛋白合成能を観察検討することにより、胚細胞分化とDNA合成能との相関性を見い出した。 2 器管培養の条件については、温度感受性が著しいことを証明し、精巣高温環境を呈する停留精巣や精索静脈瘤を用いたvivoの実験系でもDNA合成能の著い低下をみとめた。 3 培養ヒトSertor細胞よりplasmimogen activatorの同定に成功したが、病的精巣についても検討を加え、著しい産生能の低下を証明した。 4 ヒト精巣内にいても、各構造細胞中に存在すると推定されるandrogen受容体を、cDNA monoclonal antibodyを用いて検討、Legdig細胞中にも存在することをmRNA(Nothern blot)および蛋白(Western blot)より証明した。 5 ヒト生殖細胞の障害と支持細胞機能低下との間に存在する細胞間調節(Paracrine)機構の解明にin vivoの実験系を導入し、所定の成果を得た。
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