研究課題/領域番号 |
02454373
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
畠 亮 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40051586)
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研究分担者 |
林 暁 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60180965)
斉藤 史郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80170504)
馬場 志郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00051889)
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キーワード | Hーras / 点突然変異 / オンコジン / 泌尿器系腫瘍 |
研究概要 |
泌尿器系悪性腫瘍の発生に対するHーras遺伝子のコドン12もしくはコドン61の点突然変異の関与を検討した。PCR法でHーras遺伝子のコドン12とコドン61それぞれを含むDNA断片を増幅し、その後コドン12に対しては制限酵素Nael、コドン61に対してはBstNIを用いて切断して点突然変異を検出した。さらにドットブラットハイブリダイゼ-ションを法を用いて変異配列を検出した。PCR法、ドットブロットハイブリダイゼ-ション法の反応条件はプラスミドDNAを用いて設定した。ブラスミドDNAは正常のHーras遺伝子を持つヒト胎盤由来のもの、コドン12に変異を持つヒト膀胱癌細胞株124由来のもの、コドン61に変異を持つヒト肺細胞株Hs242由来のものを用いた。つぎにコドン12に変異のある細胞株T24,Hs578T(ヒト乳腺肉腫細胞株)、コドン61に変異のあるSK2(ヒト悪性黒色腫細胞株)より抽出したDNAを用いて点突然変異の検出を行なった。 臨床症例における摘出標本より抽出したDNAについても同様の方法で点突然変異の検出を行い、コドン12に変異を認めた一例については、再発時の腫瘍組織、以前切除した腫瘍のパラフィンブロックの組織から抽出したDNAの点突然変異の有無を検討した。その結果すべての細胞からDNAにコドン12の変異が確認された。 癌細胞の正常細胞が混在しているような状態で抽出したDNAの中から癌細胞由来の変異Hーras遺伝子の検出を行うためのモデル実験を、正常のDNAと変異のあるDNAとを混合した検体を用いて行った。その結果PCRでコドンを含むDNA断片を増幅した後にNaeIで切断したところ、検体中に変異DNAが1%あればその検出が可能であることが確められた。
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