研究概要 |
Steroid hormones関連腫瘍(SHRT)の細胞増殖、抑制および分化は、核内調節機構の作動によって行われる。Steroid(SH)と受容体(SR)によって形成される複合体(SRC)の標的となる核DNA上のacceptor site(AS)における活性化機構を解明するため、ER陽性卵巣腺癌培養細胞株(KFー1)を用いて、細胞増殖周期とE2の標的効果との相関を検討した。KFー1に、Bestrabucil(E2 coupling chlorambucil)の有効濃度を添加し、96時間までanalogのchlorambucilと対比しながら、細胞周期をFACS sorterで解析すると、有効濃度Bestrabucilで強力な増殖抑制を認め、等mol比のchlorambucilのそれを細胞周期からみると、48時間から72時間にかけて、徐々にG2期が阻止された。これにたいして、Bestrabucilでは、すでに障害効果が24時間後に出現し、ER陽性細胞への選択的、迅速な障害は、E2のER標的効果であり、主にGO+1期集団の中の標的細胞であることが判った。つぎに、核内および細胞質内SR(ERとPR)の量を測定した人子宮内膜癌細胞IK(Ishikawa,1980)とHECー1(Kuramoto,1972)とSR陰性細胞SNG(Ishiwata,1977)の増殖および抑制が、E2やprogesteroneのhormone作用のlegandではなく、second messengerとしてのEGFおよびTGFー1の作用によって増殖および抑制が行われる可能性があるので、E2,Pの種々の濃度の添加群を非添加群と比較しながらER,PgRの局在と変動を免疫組織化学的に確かめた。さらに、EGFを加えて、flow cytometry法によって細胞周期とくにG1期とS期との相関を検討した。ER,PR陽性IK細胞では、EGF添加により増殖促進効果とくに、S期細胞の増加を認めたがIGFでは背反的な結果をえた。これにたいし、ER陰性のHECー1では、いづれの増殖因子も無効であった。IK細胞においてEGFは、E2より顕著な増殖促進を認めたので、両者の相加、相剰効果について、検討中であり、また、核内acceptor siteのDNAをfase pairごとにAーTおよびGーCに分けて、dual laser cell sorterによってE2およびEGFの転写活性部位を確かめている。
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