研究課題/領域番号 |
02454391
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
佐藤 和雄 日本大学, 医学部, 教授 (80010180)
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研究分担者 |
高木 健次郎 日本大学, 医学部, 助手 (00216623)
松浦 眞彦 日本大学, 医学部, 助手 (10175599)
正岡 直樹 日本大学, 医学部, 助手 (50199668)
三宅 良明 日本大学, 医学部, 講師 (20183634)
坂田 寿衛 日本大学, 医学部, 講師 (00059817)
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キーワード | 胎児行動様式 / 超音波断層装置 / 慢性羊実験モデル / 脳波(LV、HV) / 脳内生理活性物質 / 胎児(仔)呼吸様運動 / 胎児(仔)胎動 / 胎児(仔)眼球運動 |
研究概要 |
胎児行動様式をヒト胎児、動物(羊)胎仔を用いて生理学的、生化学的に検討し次の成績を得た。〔1〕胎児行動の各parameterの観察では30〜32週頃より収束し始め、36〜37週にほぼ完成し、さらに大脳皮質の成熟は妊娠30週頃よりみられ35〜36週に確立されることを確認した。しかし、ストレス下胎児では収束性に「ズレ」すなわち解離現象が生じ、また大脳皮質の成熟は正常に比べ1〜2週遅れることを認めた。この事実証明する目的で動物実験を行ない、〔2〕羊胎仔では妊娠125日以降になると脳波がLVとHVに分れ、LV時に眼球運動、呼吸様運動の出現が一致し、基準心拍と血圧の低下、acceleration,variabilityの増加がみられた。大脳の成熟をみるため脳波を観察すると、胎令とともにLVは減少、HVは増加の傾向を示し140日以降ではLVとHVはほぼ同率を示した。ストレス下胎児のモデルでは中枢神経活動と胎仔行動の各パラメ-タ-間に不一致、すなわちLVであるにもかかわらず呼吸様運動と胎動の減少を認めヒト胎児の場合と同様の現象をみた。この場合の血中ホルモン濃度をみるとAVPで40倍、HEで10倍、Eで3〜4倍に増加し、さらに髄液内の5HT、PGD_2をみるといづれもストレス時には100〜120倍の増加を認めた。そこで、胎児(仔)行動には神経伝達物質をはじめとする脳内生理活性物質が影響しているものと考え、まず、AVP、HEを胎仔に直接投与すると両者共脳波上その周期には変化を認めなかったが、前者では著明な、後者では軽度の呼吸様運動に抑制を認めた。以上より脳内生理活性物質の胎児行動への関与は十分示唆された。
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