研究分担者 |
高木 健次郎 日本大学, 医学部, 助手 (00216623)
松浦 眞彦 日本大学, 医学部, 助手 (10175599)
正岡 直樹 日本大学, 医学部, 助手 (50199668)
三宅 良明 日本大学, 医学部, 講師 (20183634)
坂田 寿衛 日本大学, 医学部, 講師 (00059817)
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研究概要 |
低酸素状態における羊胎仔の行動様式は胎齢90〜100日のものでは低酸素負荷に対する反応は反映されにくく,125〜130日のものでは低酸素負荷に対する基準心拍は低酸素開始直後より低下し,投与後30分頃より元に戻り,約3時間でコントロ-ルに復帰し,その後低酸状態にもかかわらず変化がみられなかった。variabirityは低酸素開始1〜2時間で上昇,その後低下しコントロ-ルよりやや高値で持続,中止と同時にコントロ-ルに戻った。呼吸様運動は開始後1時間で著明に減少,その後低酸素状態持続にもかかわらず徐々に増加5〜6時間以降ほぼコントロ-ルに戻りその後持続した。この場合の内分必動態はAVPは1時間後に著増6時間後やや減少,その後低酸素にもかかわらず低下し24時間後も一定であり,NE Eはともに低酸素負荷中は持続上昇し中止とともに低下,コントロ-ル戻った。このように低酸素状態により胎仔行動に変化がおこりそれらにdissociationのあることがわかった。ヒトにおいても,心拍数呼吸様運動,眼球運動,胎動の同起率をみると同起率は妊娠週数にともない上昇し100%同起へと集束することがわかった。しかし,各妊娠週数別の同起率をIUGRすなわち低酸素状態における胎児でみるとIUGR児では正常児に比べすべてはずれ,このはずれは血液ガス所見の重症度に関係しているようで,さらにこのはずれに呼吸様運動が最も影響していることがわかった。 以上よる,低酸素状態による胎児(仔)行動の解離現象(dissociation)には呼吸様運動の抑制が大きく関与し,この呼吸様運動の抑制には低酸素負荷によって増加するAVPが関与している可能性のあることがわかった。
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