研究概要 |
1.SP,CGRP陽性神経を介する副交感神経活動制御の可能性 SD系モルモットの翼口蓋神経節を摘出し、PAP法にて免疫染色を行ない,免疫組織学的に検索した。翼口蓋神経節細胞の99%はVIP陽性,54%はNPY陽性,11%はENK陽性であった。神経節細胞周囲にはCGRP,SP,ENK陽性の神経終末が観察され,いずれも神経節細胞または神経節細胞体からでた短い突起にシナプスを形成していた。また向側または両側の上頸神経節を切除してもCGRP,SP,ENK陽性神経終未に変化は認められなかった。CGRP,SP陽性神経終未が神経節細胞とシナプスを形成し,三又神経軸索側副枝による副交感神経活動の制御の可能性が示唆された。 2.鼻粘膜上皮層におけるSP,CGRP陽性神経終未の電顕学的観察,ラット鼻粘膜上皮内ではSP,CGRP陽性線維は光頭的には基庄膜よりvaricosityを形成して立ち上がり,上皮表層に露出するかのごとき像が観察された。また一部は盃細胞に付着する部分も観察された。電顕的には神経終末は線毛細胞間および線毛細胞と盃細胞の間に認められた。 3.ヒト鼻粘膜血管,特に動静脈シアントの三次元構築 アレルギー性鼻炎症例の下甲介粘膜の4μ連続切片を作製し,HE染色後,連続写真から上皮,動脈,静脈,腺,毛細血管をトレースし.ラトックシステムエンジニアリング社のプログラムを用いて鼻粘膜血管系を三次元構築した。又献的には動脈が細静脈や海綿静脈洞に直接吻合する動静脈吻合が多数存在するといわれているが,今回.検索した範囲ではヒト下甲介粘膜では動静脈吻合をみつけることはできなかった。
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