研究課題/領域番号 |
02454402
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩城 正佳 京都大学, 医学部, 助手 (10093163)
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研究分担者 |
柏井 聡 京都大学, 医学部, 助手 (50194717)
吉村 長久 京都大学, 医学部, 講師 (70211662)
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キーワード | セリンプロテアーゼインヒビター / 組織プラスミノーゲンアクチベータ / 血管新生 / 網膜色素上皮 / 視細胞 |
研究概要 |
網膜色素上皮細胞と神経網膜との相互作用を司る分子として、ニワトリ網膜色素上皮に特異的に発現する遺伝子(pP344)を候補として考えて解析を進めてきた。組織プラスミノーゲンアクチベーターは網膜血管新生を促進すると報告されている。この遺伝子は、セリンプロテアーゼインヒビターとのホモロジーが非常に高く、同様な二次構造をとれるので、その一つである組織プラスミノーゲンアクチベーターの活性を阻害し、血管新生を抑制すると予想し、ウサギ角膜を用いて調べた。pP344を発現ベクター(pMIW)に組み込み、マウス線維芽細胞(Ltk-cell)にトランセフェクションして、この遺伝子産物を発現させた。その結果、この遺伝子産物はコントロールと比較して、新生血管阻害作用に関しては全く差異が認められなかった。 細胞内分布及び発生過程における発現とその様式を明らかにするために、この遺伝子産物に対する抗体を作成することが妥当と考えて試みている。抗原は、精製等の有利性から、大腸菌を用いた融合蛋白質での免疫を選んだ。制限酵素部位を利用して、数個のcDNA断片をpGEX-2T/3Xに導入し、Glutathion-S-transferaseとの融合蛋白質を作成した。ヘパリンカラムで精製した後にマウスに免疫し、それらの抗体については現在検索中である。 更に、色素上皮細胞と神経網膜との相互作用に関わるpP344以外の分子を探索するために、ニワトリ網膜色素上皮細胞そのものに対するモノクローナル抗体を作成した。5種類の色素上皮細胞に特異的に反応する抗体が得られた。そのうちの一つは、色素上皮細胞細胞質及び視細胞細胞膜を特異的に染色している。この抗体の認識する抗原は、色素上皮と神径網膜間のmodulationの機能を有すると考えて解析を進めた。抗原を同定するために、網膜色素上皮細胞のcDNAライブラリーを発現ベクターであるlambda gtllを用いて0.7kbと0.9kbの陽性クローンを得た。それらの遺伝子については、現在、解析を行っている。
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