研究課題/領域番号 |
02454409
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
明尾 潔 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90146663)
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研究分担者 |
宮田 博 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60174190)
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キーワード | 網膜色素上皮細胞 / メラニン / 活性酸素 / ド-パ / 細胞増殖 / ス-パ-オキサイドディスミュタ-ゼ / 吸光度 / カタラ-ゼ |
研究概要 |
DopaはMelaninへと変化する際に活性酸素を生じ、Melanin前駆物質とともに色素細胞に毒性を発揮し、生じた活性酸素はSuperoxide Dismutase(SOD)やCatalaseなどの活性酸素消去酵素によりscavengeされるが、われわれは既に培養網膜色素上皮細胞(RPE)、皮膚線維芽細胞、血管内皮細胞の増殖に与えるDopaの影響を観察し、Tyrosinaseや活性酸素消去酵素活性が異なると考えられる異種細胞間ではその影響に相違があることを報告した。本年度は牛眼RPEから培養されたTyrosinase活性の異なる色素をともわない細胞(NPE)と色素をともなう細胞(PE)とについてDopaからの活性酸素が細胞増殖に与える影響を検討した。その結果、NPEはPEと比較してDopaからの活性酸素による障害を受けやすく、しかも活性酵素の軽減、すなわち低酸素や活性酸素消去酵素、あるいはミトコンドリアのQサイクルに働くことによりantioxidationの効果を発揮するUbiquinoneと似た構造を持つIdebenone、Succinateの培養液への添加により、NPEはPEより良好に増殖は改善していた。また、活性酵素による細胞障害を説明するためには細胞内の活性酸素消去酵素活性も重要であり、これまでにわれわれは豚眼培養RPEについて酸素濃度を低下することにより、SOD活性が上昇することを既に報告した。今回、NPEとPEにおける細胞内のSOD活性に関するを研究の予備実験としてまず豚眼培養RPEにDopaを投与し、酸素濃度を変化させ、SOD活性を測定した。酸素濃度を上げることによりSOD活性は低下していたが、Dopaを培養液中に投与することによりかえってSOD活性は上昇しており、酸素濃度上昇とDopaの投与とは細胞内のSOD活性に与える影響には相違があることが明らかとなった。NPEとPEとについては現在、継続して研究を行っている。
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