研究課題/領域番号 |
02454417
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
高野 邦雄 長崎大学, 歯学部, 教授 (80050029)
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研究分担者 |
和泉 伸一 長崎大学, 歯学部, 教務職員 (80212950)
井上 靖久 長崎大学, 歯学部, 講師 (80128157)
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キーワード | 唾液腺 / 分泌機構 / アグルチニン / ペルオキシダ-ゼ / アミラ-ゼ / ゴルジ装置 / 糖蛋白質 / 免疫細胞化学 |
研究概要 |
唾液中には50種類以上の細胞活性物質が含まれている。これらの物質は腺細胞や導管の細胞で合成され、分泌顆粒中にパックされ腺腔中に放出され唾液成分になる。これらの物質の多くは糖蛋白質であるが、細胞内におけるこれら糖蛋白質の合成過程は、形態的にはほとんど理解されていない。本研究では、これらの諸糖蛋白質の合成過程を推察するため、モノクロナ-ル抗体およびポリクロナ-ル抗体を用いた免疫細胞化学的方法を用いてこれらの物質の局在を観察することである。本年度は、アグルチニン、ペルオキシダ-ゼおよびアミラ-ゼについて、抗体の作製を試みた。ペルオキシダ-ゼのどの部分の抗原決定基を有しているか不明であるが、数種の有効なモノクロナ-ル抗体が得られた。しかし免疫細胞化学的検索には至っていない。アミラ-ゼについては、目下細胞のソ-テング中である。アグルチニンについては、米国ペンシルバニア大学より提供された抗原を用いて作製したポリクロナ-ル抗体およびモノクロナ-ル抗体は特異性が高く、また抗体価の高いものが得られた。特にMAb116およびMAb303は有効である。MAb303はYーepitopeを認識することも分かった。MAb303を用いた免疫細胞化学的反応では、ヒトおよびスナネズミの耳下腺および顎下腺の腺房細胞では、粗面小胞体、TTN、分泌顆粒にはその局在が観察されたがゴルジ槽の中には認められなかった。一方、ヒトのアミラ-ゼ抗体(Sigma社)ではゴルジ槽の中にも観察された。このことは両者での合成過程に相違があるものと考えられた。この結果は、Anat Rec.(1991)にて印刷中である。
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