• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

コラ-ゲン・アパタイト複合マトリックス内での細胞分化

研究課題

研究課題/領域番号 02454421
研究機関北海道大学

研究代表者

久保木 芳徳  北海道大学, 歯学部, 教授 (00014001)

研究分担者 滝田 裕子  北海道大学, 歯学部, 教務職員 (30125330)
藤沢 隆一  北海道大学, 歯学部, 助手 (40190029)
水野 守道  北海道大学, 歯学部, 助手 (10125354)
キーワード三次元細胞支持体 / コラ-ゲン / アルカリホスファタ-ゼ / 骨芽細胞 / ハイドロキシアパタイト / 足場依存性 / 骨形成タンパク質 / BMP
研究概要

血液細胞などの浮遊細胞を除けば多くの正常細胞は足場依存性であり適切な支持体を必要とする。従来の細胞培養法における支持体はプラスチック製シャ-レという二次元平面上でなされており、三次元支持体としてはコラ-ゲンなどのゲルが試みられているに過ぎない。我々は結合組織の細胞とくに骨芽細胞の分化には、コラ-ゲン線維とアパタイトの2大成分を主とした固体基質が生体内における支持体になっている事実に着目し、新しい三次元細胞支持体を考案してin vitroおよびin vivoの実験を行い次の結果を得た。
1.骨芽細胞をコラ-ゲンゲル上にて培養するとプラスチック平板と同程度の分化速度〔アルカリホスファタ-ゼ(ALP)を指標とする〕を示し、約20日で骨様組織を形成した。ここに骨形成タンパク質(BMP)の粗抽出液を加えるとALP活性は2倍に上昇した。 2.アパタイト顆粒をシャ-レ上に敷いて骨芽細胞を培養すると対照のシャ-レよりも数倍の細胞数に達し且、総ALP活性も増大した。 3.このアパタイト顆粒にI型コラ-ゲンを配合すると、アパタイト単独よりもALP活性が約4倍も上昇した。さらに、両系にリコンビナントBMPー2を加えた結果はいずれも約20%ALP活性が上昇した。アパタイトにコラ-ゲンを添加すると、BMPの添加効果を上まわって分化を促進させたことは、この複合体が骨芽細胞の分化にきわめて効果的なin vitro用の支持体であることがわかった。 4.多孔質顆粒状アパタイトおよびコラ-ゲン線維膜を調製し、これに精製BMPを含浸させてラットの皮下に埋植したところ、前者では直接骨形成(軟骨形成を経過せず)が起き、後者では膜内部に軟骨が、表面には骨が形成された。以上により、骨芽細胞の分化はコラ-ゲンとアパタイトから構成される支持体に大きく依存することが明らかにされた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] R.Fujisawa and Y.Kuboki: "HIGHーRESOLUTION SOLIDーSTATE NUCLEAR MAGNETIC RESONANCE SPECTRA OF DENTIN COLLAGEN" Biochem.Biophis.Res.Commun.167. 761-766 (1990)

  • [文献書誌] R.Fujisawa and Y.Kuboki: "Studies on conformation changes in the aminoーterminal segment of bovine bone Gla protein" 歯科基礎医学会誌. 32. 174-179 (1990)

  • [文献書誌] 久保木 芳徳: "骨形成の基礎と臨床ー硬組織再建の原理ー" 日本口蓋裂学会誌. 16. 169-179 (1991)

  • [文献書誌] R.Fujisawa and Y.Kuboki: "Preferential adsorption of dentin and bone acidic proteins on the(100)face of hydroxyapatite crystals" Biochimica et Biophysica Acta. 1075. 56-60 (1991)

  • [文献書誌] Y.Kuboki et.al.: "HistidinoalanineーContaining Phosphoprotein in Bone" Calcif Tissue Int. 48. 196-203 (1991)

  • [文献書誌] Y.Kuboki et.al.: "TimeーDependent Changes of Collagen Crossーlinks and their Precursors in the Culture of Osteogenic Cells" Calcif Tissue Int.

  • [文献書誌] 藤本 大三郎 編,久保木 芳徳,他著: "細胞外マトリックスのバイオサイエンスとバイオテクノロジ-" 株式会社アイピ-シ-, 448 (1990)

  • [文献書誌] Y.Kuboki et.al.In:Davies JD(ed): "The boneーbiomaterial interface" Univ.Tronto Press, 502 (1991)

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi