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1990 年度 実績報告書

硬組織形成細胞の分化調節機構に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02454423
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

下川 仁弥太  東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (80014257)

キーワードエナメル芽細胞 / 象牙芽細胞 / 骨芽細胞 / 石灰化 / アメロジェニン / フォスフォフォリン / コラゲナ-ゼ / オステオカルシン
研究概要

硬組織形成のメカニズムを解明するための一つの手段は、骨と歯を形成する細胞の分化調節機構を明らかにすることである。本研究では分子生物学的方法を用い、エナメル芽細胞、象牙芽細胞、骨芽細胞の分化マ-カ-であるアメロジェニン、フォスフォフォリン、オステオポンチン、オステオカルシン、コラゲナ-ゼ等の遺伝子の発現調節を抗体、cDNAプロ-ブ等を用いて多角的に解析していこうとするものである。本年度は以下のごとき新知見を得た。
1)ウシ・アメロジェニンのRNAプロ-ブを用い、ラット歯胚におけるアメロジェニン遺伝子の発現をin situ hybridization法により解析した。その結果、アメロジェニン遺伝子は前エナメル芽細胞において既にわずかではあるが発現を開始し、基質形成期で最大になり、成熟期の極く初期まで続いていることがわかった。
2)ウシ・エナメリンをエナメル質基質より精製し、その一次構造を解析した。その結果、N末端から23番目までのアミノ酸配列がわかった。このアミノ酸配列をもとにして、エナメリンのcDNAをクロ-ニング中である。
3)骨有機質代謝のKey enzymeであるコラゲナ-ゼ遺伝子の骨芽細胞様細胞における発現の調節機構を解析した。その結果、TPA、FCS、ILー1β等によりコラゲナ-ゼ遺伝子の発現は誘導されたがPTH、1.25(OH)_2D_3、dibutyryl cAMPによっては誘導されなかった。また、TGFーβによりFCS、ILー1βによる誘導は抑制された。更にウシ・コラゲナ-ゼのcDNAクロ-ニングも行った。
4)象牙質リン蛋白質(Phosphophoryn)の性質を詳しく調べた結果、これまでプロテア-ゼに抵抗性であるといわれていたが、脱リン酸することにより、プロテア-ゼ感受性になることがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] C.Gibson,E.Golub,R.Herold,M.Risser,W.Ding,H.Shmokawa,M.Young,J.Termine,J.Rosenbloom: "Structure and Expression of the Bovine Amelogenin Gene" Biochemistry. 30. 1075-1079 (1991)

  • [文献書誌] C.Gibson,E.Golub,W.Ding,H.Shmokawa,M.Young,J.Termine,J.Rosenbloom: "Identification of the LeucineーRich Amelogenin Peptide(LRAP)as the Translation Product of an Alternatively Spliced Transcript" Biochem.Biophys.Res.Commun.(1991)

  • [文献書誌] M.Mori,K.Yamada,T.Kasai,T.Yamada,H.Shimokawa,S.Sasaki: "Immunohistochemical expression of amelogenins in odontogenic epithelial fumors and cysts" Virchows Archiv A Pathol Anat.(1991)

  • [文献書誌] K.Ibaraki,H.Shimokawa,S.Sasaki: "An analysis of the biochemical and biosynthefic properties of dentin phosphoprotein" Mafrix. 11. (1991)

  • [文献書誌] 下川 仁弥太: "アメロジェニン(エナメル蛋白)の構造と石灰化における役割" 日本骨代謝学会雑誌. 9. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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