研究課題/領域番号 |
02454429
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
須田 立雄 昭和大学, 歯学部, 教授 (90014034)
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研究分担者 |
高橋 直之 昭和大学, 歯学部, 助教授 (90119222)
瀧戸 次郎 昭和大学, 歯学部, 助手 (00197237)
新木 敏正 昭和大学, 歯学部, 講師 (90138420)
金 成河 昭和大学, 歯学部, 助手 (10205049)
阿部 悦子 昭和大学, 歯学部, 助教授 (70119147)
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キーワード | 活性型ビタミンD / 小腸の吸収上皮細胞 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / カルシウムポンプ / 補体第3因子 / 骨吸収因子 / 増殖因子 |
研究概要 |
我々は骨粗鬆症を全身性のカルシウム代謝異常ととらえ、生化学並びに分子生物学の手法を用いて、(1)小腸のカルシウム吸収の調節機構、(2)骨形成と骨吸収の調節因子の作用機作、を明らかにすることを目的に研究を進め、下記の知見を得た。(1)活性型ビタミンDの刺激によりマウス骨髄由来のストロ-マ細胞(ST2)と初代培養骨芽細胞が産生する190kDaの蛋白質を精製し、Nー末端アミノ酸配列の分析と免疫源性の検討より、この蛋白質は補体第3因子(C3)と同じ物であることが判明した。一方、活性型ビタミンDはC3の産生を転写レベルでコントロ-ルし、しかも組織特異的に調節していることが明らかになった。また、破骨細胞形成の骨髄細胞培養系にC3抗体を添加することにより、活性型ビタミンDにより誘導される破骨細胞の形成が完全に抑制された。 以上の結果より、活性型ビタミンDの刺激により骨芽細胞が産生するC3は、破骨細胞の形成過程に関与する可能性が示唆された。(2)ニワトリ小腸の吸収上皮細胞のbasolateral膜画分を用いて、カルシウム排出の性質を様々な角度から検討した結果、basolateral膜中のカルシウムポンプはCa^<2+>,Mg^<2+>ーATPaseであることが判明し、この蛋白質のリン酸化ー脱リン酸化の状態により小腸のカルシウム吸収が調節されていることが示唆された。(3)初代培養骨芽細胞と脾細胞の共存培養系を用いて、破骨細胞の形成過程におけるMーCSFの効果を調べた結果、MーCSFは破骨細胞の前駆細胞の増殖だけではなく、分化をコミットする重要な因子であることがMーCSFに対する特異抗体と増殖抑制剤(hydroxyurea)を用いた実験で明らかになった。
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