研究課題/領域番号 |
02454435
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
恵比須 繁之 徳島大学, 歯学部, 教授 (50116000)
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研究分担者 |
中江 英明 徳島大学, 歯学部, 助手 (30227730)
松尾 敬志 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (30173800)
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キーワード | 診断方法 / 線形判別分析 / 活動期病変 / 歯周炎 / 歯肉縁下プラ-ク / 歯肉溝滲出液 |
研究概要 |
未治療のまま歯周炎患者のアタッチメントレベルを1週間隔で42日の間経時的に測定し、前回の測定値と比べて2mm以上のアタッチメントロスが認められた部位を活動部位とした。また、同一患者においてアタッチメントロスが認められない部位のうち、臨床所見がその活動部位と同程度の部位を選択し、休止部位とした。そして、活動部位と休止部位における歯肉縁下プラ-クと歯肉溝滲出液の各種検査の測定値から、歯周炎における活動部位と休止部位を判別する方法について検討した。その結果、歯周炎における活動部位の出現率は、42日間の研究期間内に0.8%であった。この活動部位の出現は、3mm以下の深さのポケットでは認められず、ポケットの深さが4mm以上の部位では深さが大きくなるにつれて活動部位の出現率が高くなる傾向が認められた。活動部位では休止部位に比べ、総菌数およびプロスタグランジンE_2濃度が有意に高く、運動性桿菌の存在比率、インタ-ロイキン1αおよび1β濃度、活性型コラゲナ-ゼ活性も高い値を示す傾向が認められた。一方、球菌の存在比率は活動部位で有意に低かった。しかしながら、特異度を100%として各々の検査の活動部位と休止部位の判別能を比較すると、本研究で用いた各種検査はいずれも、単独では低い判別能しか示さなかった。そこで、複数の測定値を組み合わせる線形判別分析を用いて活動部位と休止部位の判別を試みたところ、プロスタグランジン濃度、インタ-ロイキン1αおよび1β濃度、コラゲナ-ゼ活性、リポ多糖濃度の測定値を組み合わせることにより、62%の感度と100%の特異度で両部位を判別できた。
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