研究課題/領域番号 |
02454435
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
恵比須 繁之 徳島大学, 歯学部, 教授 (50116000)
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研究分担者 |
中江 英明 徳島大学, 歯学部, 助手 (30227730)
松尾 敬志 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (30173800)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 診断方法 / 歯周炎 / 活動期病変 / 線形判別分析 / 歯周ポケット内細菌 / 歯肉溝浸出液 |
研究概要 |
歯周炎の活動期を診断する方法を検討した。先ず、歯周病変部と健常部からそれぞれ採取した歯周ポケット内細菌と歯肉溝浸出液中の炎症反応のメディエ-タ-を比較した結果、総菌数、Spirochetesの存在比率、Porphyromonas(Bacteroides)gingivalisの検出率および歯肉溝浸出液中のプロスタグランディンE_2(PGE_2)濃度が、歯周病変部で有意に高いことを明らかにした。ついで、10人の成人性歯周炎患者の1539部位を対象として、臨床所見は類似しているにもかかわらず、未処置で経過した42日間に2mm以上のアタッチメントロスを示した活動部位と、アタッチメントロスを示さなかった休止部位を選別した。そして、活動部位と休止部位における歯周ポケット内細菌の検索と歯肉溝浸出液中の炎症反応のメディエ-タ-の定量を同時に行った。活動部位は休止部位に比べ、総菌数およびPGE_2濃度が有意に高く、Motile rodsの存在比率、ILー1α濃度および活動型コラゲナ-ゼ活性も高い値を示す傾向が認められた。しかしながら、特異度100%として各々の検査の活動部位と休止部位の判別能を比較すると、本研究で用いた各種検査はいずれも、単独では低い判別能しか示さなかった。そこで、複数の測定値を組み合わせる線形判別分析を用いて未治療の歯周病変における活動部位と休止部位の判別を試みたところ、PGE_2濃度、ILー1α濃度、ILー1β濃度、コラゲナ-ゼ活性およびLPS濃度の測定値を組み合わせることにより、62%の感度と100%の特異度で両部位が判別された。一方、メインテナンス中の歯周病変では、活動部位は休止部位に比べ、総菌数が有意に多く、PGE_2濃度も高い値を示す傾向が認められた。しかし、メインテナンス中の歯周病変においては、未治療の歯周病変とは異なり、各種検査結果を組み合わせて線形判別分析を行っても正診率の上昇は認められなかった。
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