研究課題/領域番号 |
02454436
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鳥居 光男 大阪大学, 歯科部, 助教授 (30116066)
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研究分担者 |
安永 哲也 大阪大学, 歯学部, 助手 (70182342)
河合 啓次 大阪大学, 歯科部附属病院, 講師 (40204664)
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キーワード | 抗菌性レジン / 非溶出性抗菌剤 / 抗プラ-ク性 |
研究概要 |
1.イルガサン添加非水性抗菌性レジンの抗プラ-ク性 既に完成したイルガサン添加レジンで作製したディスク状試料をショ糖添加培地中に懸垂し、スエプラ-クの付着状況を走査電子顕微鏡で観察したところ、1%イルガサン添加試料で明瞭な付着抑制がみられ、非溶出性抗菌剤でも抗プラ-ク性を持つことが明らかとなった。 2.抗菌性モノマ-の合成・精製と抗菌性の確認 抗菌剤であるメチルパラベンにメタクリル基を導入することを試み、前駆体であるパラオキシ安息香酸とHEMAをDCCを用いて脱水縮合させ、2ーメタクリロイロキシエチルーパラ-ヒドロキシ安息香酸(MBAモノマ-)を得た。NMR及び元素分折で目標物の合成が確認された。シリカゲルカラム、続いて再結晶により純度99%以上の白色針状結晶としてMBAモノマ-が得られた。S.mutans MT8148株に対する最小発育阻止濃度を比較してみると、メチルパラベンは1.25〜2.50mg/ml,MBAモノマ-は1.00〜1.25mg/mlと同程度で、メチルパラベンにメタクリル基を導入しても、その抗菌力を低下させないことが明らかとなった。しかし、メチルパラベンの抗菌力は前出のイルガサンに比べると約100倍弱いため、BisーGMA・3G系のモノマ-に20%MBAを含有させたレジンディスクでこそこに接した細菌の増植抑制を認めた程度で、さらに抗菌性の高いモノマ-が必要と考えられ、現在、抗菌剤Dー301へのメタクリル基の導入を進めている。 3.市販光重合型ボンディング材の抗菌性 抗菌性レジンの開発に関連して、歯質と直接接触するボンディング材の抗菌性を知るために9種の市販光重合型ボンディング材の抗菌性を調ベたが、重合前にはかなりの抗菌性を示したものもあったが、重合後には抗菌性はすべて大巾に低下し、実用的な抗菌力をもつものはなかった。
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