研究概要 |
本研究の目的は、3種の辺縁形態を有するコンポジットレジンインレ-及びコンポジットレジン成形修復物に辺縁負荷が加わった場合の辺縁破折の発生状況、あるいは辺縁封鎖性に対する影響を調べることである。辺縁形態はバットジョイント、ストレ-トベベル,ラウンドベベルとし、実験的研究ならびに臨床経過観察を行った。 〈方法〉1.実験的研究:ヒト抜去歯に前述の3種の窩縁形態を有する規格化された窩洞を形成し、間接法コンポジットレジンインレ-修復及びコンポジットレジン成形修復を行って、試料体とした。試料体は、サ-マルサイクリング負荷を加えた群、繰り返し衝撃荷重試験装置を用い修復物辺縁への負荷を加えた群、及びそれぞれの負荷を加えない群の計4群からなり、修復物辺縁をレプリカ模型法により走査型電子顕微鏡(JSMT22OA日本電子KK)を用い観察した。また、すべての群において、色素浸透試験を行い、辺縁封鎖性を検討した。2.臨床的研究:前述の3種の窩縁形態を有するコンポジットレジンインレ-ならびにコンポジットレジン成形修復の臨床経過観察を直接的評価、間接的評価(前述の電顕を使用)により行なった。 〈結果〉1.実験的研究:(1)コンポジットレジンインレ-、成形修復ともほぼ同程度の辺縁破折抵抗性を示した。(2)バットジョイント群が他のベベル群と比較して高い辺縁破折抵抗性を示す傾向を認めた。(3)サ-マルサイクリング負荷により辺縁破折抵抗性が低下した。(4)辺縁封鎖性は、バットジョイント群が他のベベル群と比較し劣っていた。(5)辺縁負荷やサ-マルサイクリング負荷により辺縁封鎖性はすべての窩縁形態群において低下した。2.臨床的研究:3カ月時の評価においては、辺縁破折を認めた症例はなかった。より長期の経過観察を続行中である。
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