研究分担者 |
堀田 浩史 長崎大学, 歯学部, 助手 (70199553)
白石 和宏 長崎大学, 歯学部, 助手 (50196599)
吉松 正 長崎大学, 歯学部, 助手 (50230800)
山辺 芳久 長崎大学, 歯学部, 助手 (90191379)
江頭 宏治 長崎大学, 歯学部, 助手 (10176753)
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研究概要 |
本研究の初年度の主目的は研究方法の確立と一次試験によるデ-タの集積である.現在,申請した設備備品はすでに購入,設置ずみで,その備品を用いて実験を継続中でその概要は以下の通りである. いわゆる健常有歯顎者5名を被検者とし,今年度購入した自動体位調節装置を用いて体位および頸・体幹軸を変化させ,緊張性姿勢反射を誘起させた.このとき被検者の咀嚼筋,僧帽筋肩部・背部から表面筋電図を両側性に導出し,同時に下肢ヒラメ筋からH波を誘導,所定の姿勢反射が誘起されたか否かの判定をヒラメ筋のH波振巾の変化を利用したRossi,A.らの方法(Electromyogr.clin.Neurophysiol.:1986.26.207〜216)に依って検討し,現在までに得られた観察結果を要約すると以下の通りである. 1.随意咬みしめ時の僧帽筋肩部および背部の筋活動電位は体位および体・頭幹軸の変化の影響を受けるが,その様相には個人差がある. 2.姿勢反射誘起の有無をヒラメ筋から誘発したH波振巾の変化で確認しようと試みたが,先人の報告とは必ずしも一致しない.すなわち,0.5Hzの連続刺激で誘発した各H波の振巾変化は姿勢変化の影響より大きい者があること,頭位・体幹軸を変化させた時のH波の増減傾向が全く逆の傾向を示すものもあった.これらのことは,上述したRossiらの実験報告の追証を要求する結果であると考えられた. 3.体幹軸を変化させると肩・背部骨格筋のみならず,咀嚼筋筋電図も影響を受ける例が多い.体幹に負荷される重力の影響がほとんど無視できる場合でも,下顎重量の影響は残っていることから四肢・体幹の骨格筋活動の影響は咀嚼筋にも及ぶことが示唆されるが,さらに検討を進めて確認したい.
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