研究課題/領域番号 |
02454449
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
藤井 弘之 長崎大学, 歯学部, 教授 (20067060)
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研究分担者 |
堀田 浩史 長崎大学, 歯学部附属病院, 助手 (70199553)
白石 和宏 長崎大学, 歯学部, 助手 (50196599)
吉松 正 長崎大学, 歯学部附属病院, 助手 (50230800)
江頭 宏治 長崎大学, 歯学部, 助手 (10176753)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 咀嚼筋 / 頸・肩・背部 / 緊張性姿勢反射 / 抗重力筋 / 緊張性迷路反射 / EMG |
研究概要 |
姿勢位の変化、とくに下肢および前庭系への刺激効果の差異が下顎負荷運動時の頸・肩・背部骨格筋活動に及ぼす影響を解析した。緊張性頸反射の影響を避けるため、姿勢位は傾斜度可変寝台を用いて変え、可能な限り頭・頸部と体幹の位置関係が変化しないように注意した。被検者は口顎系、四肢、前庭系に特に異常がない成年男子13名、負荷運動は等尺性の随意下顎後方運動の持続である。 得られた結果は以下のとおりである。 1.負荷運動時、僧帽筋と胸鎖乳突筋の筋電図活動が観察された。前者では、被検者が耐えうる最大持続時間の約60%以降でEMG振巾の増大と周波数の低下が生じ、同様な傾向は胸鎖乳突筋でも観察された。 2.これらの結果は、顎筋作業を持続するとこれに係わる僧帽筋と胸鎖乳突筋に疲労が起こること、および疲労後には他の筋がその代償的作業を強いられる可能性があることを示唆したものと考えた。 3.姿勢位の効果は、とくに胸鎖乳突筋で顕著であった(P〈0.0001)。 4.胸鎖乳突筋のEMG積分値が高い姿勢位は直立位、30度傾斜仰臥位(寝台頭部が脚部より高い)、-30度傾斜仰臥位(頭部が脚部より低い)であった。逆に、O度および-6度傾斜仰臥位と0度伏臥位の積分値は小さかった。 5.以上(3)、(4)の結果、顎筋作業時の頭・頸部の姿勢保持機構は姿勢位の影響を受けていること、その因子として前庭系および下肢抗重力筋からの求心性情報の関与を示唆したものと考えた。また、歯科臨床の観点から咬合習慣と全身の筋活動の関連を解析する1つの指針を与えたものと理解した。
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