非接触型応力解析システムによって、被験体の応力解析を行い、今回導入したデ-タ処理ソフトプログラムを解析システムに加えることによって、計測デ-タの立体的表示をカラ-CRT上に映像し、詳細な計測結果を得る。さらに三次元解析結果を表示する事によってモ-ダル解析との比較が容易に行える様になり、本年度はイ)パ-シャルデンチャ-の各構成要素の応力解析実験 ロ)各欠損症例における義歯の応力解析実験、の実験計画を立て、その実行を精力的に行ってきたが、被験体の固定方法、測定方向を角度および形状などが実験値に与える影響が、当初の我々の予想を上回った。そこでデ-タの信頼性を獲得するためにも、まず形状が簡単な被験体で各条件における実験デ-タの比較検討が重要と考え、通常パ-シャルデンチャ-の連結装置に使用されているCoーCr合金板30×50mmを用い実験を行ったところ以下の様な結果を得た。 1.片持ちの梁状の運動の支点には応力の集中があり、またアニメ-ションで観察されるうねりの変曲点では変位量が大きく応力値が小さいことがモ-ダル解析および応力解析によって観察された。 2.応力の発生機構は、被験体の材質、形状、加振方向によりいくつかの固有振動数を有すると思われるが、それは必ずしもモ-ダル解析から得られる固有振動数と一致せず応力パタ-ンが観察される振動数はその内の一部の低い振動数である。
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