1.外径0.8mmの小関節診断用微細径フィイバ-スコ-プの開発、改良を進め、臨床応用法として造影断層撮影時に刺入するカニュ-レを外套管として局所麻酔下で鏡視診査を行い、両検査を併用する方法を考察した。本法により関節腔造影と同じ程度の侵襲で造影所見と内視鏡所を同時に得ることが可能となり、硬性内視鏡で困難であった下関節腔の所見も下顎頭頭頂部から後方にかけてはほぼ常時得られるようになったので、その概要を関節鏡第15巻第1号にて報告した。また、現在までに顎関節疾患症例約60関節に本法を応用し、造影所見と内視鏡所見の比較検討を行なったところ、病変や関節円板の位置、形態などの全体像の変化については造影所見は有効であるが、腔の拡張が得られなかった場合、造影所見のみでは確定しにくい関節結節下部や下顎頭頭頂部での癒着の診断、確認、関節賠内壁の表面性状の観察には内視鏡のほうが有効であリ、両者を併用する本法は診断精度を非常に向上させることがわかったため、概要を第3回顎関節学会総会、第31回歯科放射線学会総会で報告した。 2.手術用微細径ファイバ-スコ-プについては直径1.2mmの器具挿入孔付の外径2mmの鏡体と直径2mmの器具挿孔付の外径2.8mmの鏡体を開発し、現在、従来型の硬性鏡であるTM.1ミニスコ-プと比符検討している。 3.レ-ザチでは現在、Nd:YAGレ-ザ-を用いて上記の手術用微細径ファイバ-スコ-プと併用し、安全性と手術効率の検討を行なうため、実験的に家兎膝関節に対して出力を変化されて照射し、熱電対を用いて照射部位周囲への熱の拡散状況の検討、部位の違いによる焼灼深度の違いの検討を行なっており、創傷治癒の状況についても組織学的に検討を行なっている。 4.ビデオシステム、スチ-ルカメラは上記の臨床作用、動物実験を通じて所見の記録に用いている。
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