研究課題/領域番号 |
02454463
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
石橋 克禮 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20013980)
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研究分担者 |
山中 一成 鶴見大学, 歯学部, 助手 (00247339)
地挽 雅人 鶴見大学, 歯学部, 助手 (90247338)
山本 英雄 鶴見大学, 歯学部, 助手 (10220493)
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キーワード | 関節鏡 / 顎関節 / ファイバースコープ |
研究概要 |
レーザーの鏡視下手術においては、診断用微細径ファイバースコープのイメージガイドを応用することで従来2チャンネルでしか不可能であった直視下の鏡視下レーザー手術を1チャンネルで可能な手術用鏡体の試作に成功した。それに伴い今回新たに、直径600μのコンタクトチップを必要としないベアファイバーのレーザーファイバーを用いた鏡視下手術鏡を試作した。ベアファイバーを用いるにあたり、基礎的研究として家兎膝関節を用い顎関節鏡視下手術に応用する際の至適レーザー出力域の設定を行った。その結果、5wから25wまで腔内温度の上昇は毎秒1ccの腔内潅硫下において2〜4度の上昇にとどまったことから顎関節腔へのベアファイバーの応用に関し、腔内温度の上昇については臨床使用上問題は少ないとの結論を得た。 また、滑膜で5wから25wにかけて漸次組織損傷範囲が増加するに対し、関節軟骨、半月板ではベアファイバーの特性からまったく組織損傷が観察されなかった。しかし、ベアファイバー先端への着色などレーザーエネルギーを集積させる因子が存在した場合は、15w以上で半月板、関節軟骨に穿孔をきたすことが観察された。研究の一部は第46回日本口腔科学回総会(平成4年5月、名古屋)、第74回AAMOS(米国口腔顎顔面外科学会)年次総会(平成4年9月、ハワイ)にて発表した。以上の方法を用いて顎関節症III型(日本顎関節学会分類)で、上関節腔内の線維性癒着を主病変とする2例に対して当科開発の鏡視下レーザー手術用鏡体を用いて臨床応用を試みた。その結果、線維性癒着の剥離は15w以下で充分な結果が得られ、従来の2チャンネルの穿刺にくらべ外科的侵襲が少なく術後経過は良好であった。一方、鏡体内にイメージガイドとベアファイバー同時に入る構造上の問題からレーザー照射部位と視野に若干のずれを生じることが確認された。今後これらレーザー照射部位を一致させる必要があると思われた。
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