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1992 年度 実績報告書

三叉神経系における神経伝達機構の形態学的研究ー各種ペプチドおよびアミノ酸の役割ー

研究課題

研究課題/領域番号 02454464
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

上田 裕  大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (10067001)

キーワード三叉神経 / ガラニン / ダイノルフィン / タキキニン / グルタメート / GABA / mRNA / C-fos
研究概要

ラットの片側上口唇にホルマリンを注入して疼痛刺激を与え、三叉神経脊髄路核尾側亜核(TNC)におけるpreprodynorphin(PPD)、preprotachykinin A(PPT)mRNAの発現をin situ hybridization法により検討した。また、片側の上口唇、眼窩上部、顎下部にホルマリン注入による刺激を与え、Fosタンパク(Fos)の分布を酵素抗体法により観察した。疼痛刺激によりPPD、PPT mRNAは刺激側TNCだけでなく、反対側TNCのI、II層でも増加を認めた。Fosもまた刺激により刺激側TNCだけでなく反対側TNCでも増加を認めた。眼窩上部への刺激によりTNCの腹側で、顎下部への刺激によりTNCの背側で、そして上口唇への刺激によりそれらの中間部でそれぞれ刺激側、そして刺激側ほどではないが反対側でも増加を認めた。これらのことより、顔面のこの領域の一次知覚ニューロンが反対側のTNCにも投射している可能性を示唆し、顔面からの痛覚情報は刺激を受けた部位により、それぞれTNCの特定の領域に入力されることを示した。また、転写調節因子のNGFI-AとNGFI-BのmRNAをin situhybridization法により検討したところ、これらも顔面領域への疼痛刺激によりTNCの表層で増加し、何らかの転写を調節していることを示唆した。さらに、GABA_Aリセプターとグルタメートリセプターの各種サブユニットのmRNAを三叉神経節においてin situ hybridization法により検討したところ、GABA_Aリセプターではβ_2、γ_1、γ_2、グルタメートリセプターではNMDAR_1、GluR_2、GluR_5の各サブユニットが存在することが明らかになった。このことより、三叉神経は脊髄路核においてGABAやグルタメートによりpresynapticな制御を受けていることを示唆した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 徳永 敦: "疼痛刺激による三叉神経脊髄路核尾側亜核における各種ペプチド前駆体mRNAの発現" 日本歯科麻酔学会雑誌. 20. 642-657 (1992)

  • [文献書誌] Tokunaga,Atsushi: "Orofacial pain increases mRNA level for galanin in the trigeminal nucleus caudalis of the rat" Peptides. 13. 1067-1072 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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