研究課題/領域番号 |
02454465
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石川 博之 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (20184492)
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研究分担者 |
土門 卓文 北海道大学, 歯学部, 助手 (50217618)
脇田 稔 北海道大学, 歯学部, 教授 (40018916)
山村 雅彦 北海道大学, 歯学部, 助手 (90220441)
中村 進治 北海道大学, 歯学部, 教授 (80001791)
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キーワード | 矯正的歯の移動 / 三次元的再構築 / 無細胞帯 / 内方性帯 / 直接性骨吸収 / 穿下性骨吸収 / 背部骨吸収 / 破骨細胞 |
研究概要 |
実験動物(ネコ)に対して、100g4日間例、100g7日間例、200g4日間例、200g7日間例、の条件にて左側犬歯をして実験歯として実験を行った。所定の作業期間終了後、ブアン固定液にて灌流固定を行った。この犬歯をセロイジン包理し、硬化後基準点を設定し横断切片を30μ間隔で作成した。各々の切片にH.A.およびアザンで染色を施し組織学的な検索を行った。 次にこの切片の光学顕微鏡写真を撮影し、トレ-ス後3次元画像構築ソフトにて三次元的に再構築した。 1)組織学的所見 (1)全ての実験において遠心歯頸部に、エオジン好性の均質で無構造な領域(無細胞帯とよぶ)と、その間にはさまれた線維芽細胞の核の濃縮した変性領域(内変性帯とよぶ)が区別された。 (2)4日間例では100g、200gともに破骨細胞は無細胞帯の外縁に少数存在するのみだが7日間例では直接性骨吸収、穿下性骨吸収、背部骨吸収を行っているのが観察された。 2)三次元構築像からの所見 (1)全ての実験歯の歯頸部圧迫側歯根膜には限局する内変性帯と、それを取り囲むようにして無細胞帯が環状に存在するのが観察された。またこの様相は根尖部圧迫側歯根膜には認められなかった。 (2)破骨細胞は、100g7日間例では遠心から頬側を通り、近心根尖側にいたるまで広範囲に分布しており、歯根膜に近い部位には背部骨吸収を認めた。一方、200g7日間例では破骨細胞は歯頸側と根尖側とにわかれ狭く分布し、さらに、背部骨吸収は、骨髄のかなり深部で観察された。 なお、模型計測については現在測定を行い検討中であるが、ネコノ満蓋の形状の点から術前後の重ね合わせには精度的にはまだ不十分な点がある。今後は重ね合わせの精度を向上させていくことが必要であると思われる。
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