研究課題/領域番号 |
02454479
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研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
古賀 敏比古 国立予防衛生研究所, 口腔科学部, 部長 (10037541)
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研究分担者 |
西原 達次 国立予防衛生研究所, 口腔科学部, 主任研究官 (80192251)
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キーワード | インローロイキン1 / インターロイキン1インヒビター / 歯周炎 / 骨吸収 / マクロファージ / リポ多糖 |
研究概要 |
歯周炎は歯槽骨の吸収を特徴とする疾患である。最近、歯周炎の病原菌としてActinobacillus actinomycetemcomitansやPorphyromonas gingivalisなどが注目されている。そこで、歯周炎局所における歯槽骨の吸収を誘発するような因子の産生をこれらの細菌の菌体成分が誘導している可能性が考えれる。現在、骨吸収因子の1つとしてインターロイキン1が注目されている。本研究では、骨吸収のコントロールを目的としてインターロイキン1インヒビターの開発を目ざしている。 本年度も昨年度に引き続き、マウスマクロファージ株化細胞P388D_1の培養上清からインターロイキン1インヒビスターを分離し、カラムクロマトグラフィーにより精製した。ついで、精製したインターロイキン1インヒビターのアミノ酸組成を決定した。 ついで、BALB/cマウス新生児頭蓋骨の器管培養を用いた骨吸収実験系を確立した。同頭蓋骨をA.actinomycetemcomitansのリポ多糖と一諸に培養すると、カルシウムが培養液中に遊離された。このリポ多糖による骨吸収は、indomethacinやインターロイキン1に特異的な抗体で抑制されたことから、プロスタグランジンE_2やインターロイキン1が関与していることが明らかになった。さらに、組換えインターロイキン1そのものと一諸に同頭蓋骨を培養したところ、強いカルシウムの遊離が認められた。そこで、インターロイキン1刺激BALB/cマウス頭蓋骨の吸収に及ぼすマウスマクロファージ様株化細胞由来のインターロイキン1インビターの影響を調べた。その結果、精製インヒビターは1〜5μg/mlで10^<-11>Mのインターロイキン1の骨吸収活性をほぼ完全に抑制した。この結果から、同インヒビターが歯周炎における骨吸収のコントロールに有用である可能性が考えられた。
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