研究課題/領域番号 |
02454482
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鎌滝 哲也 北海道大学, 薬学部, 教授 (00009177)
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研究分担者 |
北村 龍司 北海道大学, 薬学部, 助手 (40221212)
伊東 進 北海道大学, 薬学部, 助手 (70223154)
横井 毅 北海道大学, 薬学部, 助教授 (70135226)
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キーワード | 薬物代謝 / チトクロ-ムPー450 / ヒト胎児肝 / 細胞毒性試験 / 転写調節機構 / MCFー7 / Pー450HFLa / Pー450_<NF> |
研究概要 |
1)申請者らが既に単離したヒト胎児肝特異的に発現しているチトクロ-ムPー450分子種であるPー450HFLaに対応するcDNAクロ-ン(HFL33)をSRαプロモ-タ-に接続した発現プラスミドを構築し、ヒト乳癌由来細胞株であるMCFー7に遺伝子導入を行った。得られた形質転換細胞を用いて、各種癌原性物質による細胞毒性試験を行なった。その結果、Pー450HFLaを強く発現している形質転換細胞では、アフラトキシンB_1(AFB_1)の細胞毒性が親株であるMCFー7に比較して、約10倍増大した。このことからHFL33がコ-ドしている蛋白質は、AFB_1の代謝的活性化を行なうことができるチトクロ-ムPー450分子種であることが明かとなった。 2)Pー450HFLa遺伝子を単離する目的でCharon4Aヒトgenomic libraryのスクリ-ニングを行ない、8種類の独立したクロ-ンを得た。これらのクロ-ンを解析した結果、Pー450HFLa遺伝子は、現在わかっている範囲で少なくとも13個のエクソンから構成されていることが判明した。次に、Pー450HFLaの転写レベルでの発現調節機構を調べる目的で5'上流の塩基配列を決定した。Pー450HFLa遺伝子には、複数の転写開始点が存在することをS1マッピング法により明らかにした。さらに転写開始点より上流約800bpまでの塩基配列には、既知の転写調節因子であるER、PR、GFー1、APー3、CPー1、OCTー1、BTEB及びTFIIDが結合できると推定される塩基配列を見いだした。特に、多くのチトクロ-ムPー450分子種の5'上流に認められるBTE(basal transcription element)に注目したところ、ゲルシフトアッセイ法によりPー450HFLa遺伝子の5'上流に実際BTEBが結合することを明らかにした。現在、ヒト成人肝特異的に発現しているチトクロ-ムPー450分子種であるPー450_<NF>遺伝子についてもその構造と発現調節機構について解析中である。
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