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1990 年度 実績報告書

心筋β受容体サブクラスによる心収縮性の制御:特異的アゴニストによる角

研究課題

研究課題/領域番号 02454485
研究機関東京大学

研究代表者

長尾 拓  東京大学, 薬学部, 教授 (30217971)

研究分担者 小野 秀樹  東京大学, 薬学部, 助教授 (00080200)
キーワードβ受容体 / Tー0509 / イソプロテレノ-ル / β_1選択性 / 環状AMP / コンパ-トメント / 心収縮 / 心拍数
研究概要

我々が見いだした選択的β_1アゴニストTー0509は、最も活性の高いカテコラミンである。本研究は、Tー0509のアゴニスト特性を研究することと,これを活用して心収縮制御機構や冠循環制御の薬理学的解析を行うことを目的としている。平成2年度は、Tー0509のアゴニスト特性を確立した。(1)モルモット心臓と肺の模標本を用いてリガンド結合実験を行った。その結果、ノルアドレナリンと同程度の選択的アゴニスト活性を持つことを明らかにできた。(2)摘出心筋と気管筋を用いてTー0509の選択性を定量的に調べたところ、β_1受容体に100倍以上選択性が高い完全アゴニストであった。(3)麻酔犬を用いて心臓におけるβ_2受容体の関与を検討したところ、イソプロテレノ-ルの心拍数増加作用にβ_2受容体が関与していることが明らかになった。Tー0509の心拍数増加作用が心収縮力増加作用に比し弱い理由の1つと考えられる。一方、冠循環においてはβ_2受容体を介する反応は直接的な血流量増加と冠静脈血pO_2増加作用であった。他方、β_1受容体は心筋のエネルギ-需要の増加を介する間接的な作用を示すにとどまった。しかし、心筋内血流分布に変化があるかどうかは今後の検討にまたねばならない。(4)心筋収縮性の制御に関連して、モルモット摘出灌流心を用いて環状AMPのコンパ-トメントとβアゴニストによる心収縮力の関係を調べた。その結果、遠沈後、上清をLi_2SO_4で塩析した画分の環状AMP量と心収縮力増加との間に極めて高い相関が得られた。以上、β_1アゴニストTー0509は現在知られている最も活性の高いβ_1完全活性薬である。これを用いることにより、微妙な反応も検出可能であり、β受容体サブタイプを介する機構の解明に役立ち、また、ある種の強心薬の理解にも寄与することが期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Nagao,H.,Yabana,H,Narita,Y.,Sasaki: "Compartmentalized elevation by denopamine of subcellalar cyclic AMP levels in the guinea pig heart" European journal of pharmacology. 183. 659-660 (1990)

  • [文献書誌] Y.Sasaki,H.Yabana,T.Nagao,S.Takeyama: "Compartmentalized elevation of cyclicーAMP by denopamine in the isolated perfused guineaーpig heart" Journal of Applied Cardiology. 5. 3-12 (1990)

  • [文献書誌] T.Nagao: "Pharmacological properties and mechanism of action of denopamine in experimental animals" <In>___ー Heart FailureーMechanisms and Management.B,S,Lewis and A.Kimchi (Eds) SpringerーVerlag Berlin. 211-218 (1991)

  • [文献書誌] H.Narita,M.Gaino T.Suzuki,T.Nagao: "Synthesis and Pharmacological Properties of Azido Derivatives of 1.5ーBenzothiazepine Ca Antagonist" Chem.Pharm.Bull.38. 407-410 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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