研究課題/領域番号 |
02454498
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
野間 昭夫 岐阜大学, 医学部, 教授 (30208384)
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研究分担者 |
奥野 正隆 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (10204140)
清島 満 岐阜大学, 医学部, 助手 (10171315)
安部 彰 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (30175898)
下川 邦泰 岐阜大学, 医学部, 助教授 (70021376)
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キーワード | リポ蛋白(a) / Lp(a)表現型 / 虚血性心疾患 / 急性相反応 / インターロイキン-6 / 血液凝固線溶 |
研究概要 |
三年間にわたる研究の最終年として次の結果を得た。 1) 健常者の血清Lp(a)表現型頻度分布 Lp(a)の主要アポ蛋白であるアポ(a)には多数のイソ型が存在し、個人ではそのうち1乃至2本を有し、それによってLp(a)表現型分類が行なわれている。イソ型の分画はSDS-PAGEを用い、イムノブロット法で検出するものである。日本人における血清Lp(a)濃度分布、正常値及びLp(a)表現型頻度分布はヨーロッパ白人ときわめてよく類似する反面、中国人やインド人などアジア民族とは有意差を認めた。 2) Lp(a)表現型と虚血性心疾患との関係 虚血性心疾患群におけるLp(a)表現型頻度分布は健常者群と差を認めず、遺伝的に規制されたものでないことを確認した。夫々の表現型で血清濃度を比較すると、疾患群の方が常に高値を示すことを認めた。 3) 急性相反応物質としての変動について 我々が先に報告した如く、心筋梗塞発作後及び外科手術後に血清Lp(a)の一過性の上昇を確認し、それはIL-6の変動に若干遅れ、CRPなどと同様にIL-6の直接的な反応か、或いは何かsecond messengerを介する間接的なものかは現在のところ不明である。 ダブルバンド表現型症例で検討したところ、急性相反応で上昇するLp(a)は大分子アポ(a)を含む粒子が優位であることを認めた。 4) 血液凝固線溶系パラメーターとの関連性 従来の報告と異なり、in vivoで種々の検査値と血清Lp(a)濃度との関係を検討したところ、Lp(a)はプラスミン生成の指標であるPICと、健常者で正相関を示し、虚血性心疾患々者で相関は消えた。このことより正常状態ではLp(a)は線溶の制御に働くが、病的状態では線溶の抑制に結びついたものであろうと考察した。
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