研究課題/領域番号 |
02454499
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
河合 忠 自治医科大学, 医学部, 教授 (60048957)
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研究分担者 |
大林 民典 自治医科大学, 医学部, 講師 (60102266)
伊藤 喜久 自治医科大学, 医学部, 助教授 (20129026)
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キーワード | protein 1 / 前立腺 / 低分子蛋白 / 酵素免疫法 |
研究概要 |
平成4年度の研究は、前年度に引き続いて、慢性腎不全患者尿より、proptein 1の精製を行った。これは、今後、機能の研究を行うための、準備の一つである。また、現在、protein 1に対するモノクローナル抗体の作製を行っており、これまでのところ、タクローン選択が終了している。平成2年度の研究において作製されたタローン数はわずか1クローンであり、今後、酵素免疫測定法の改良、あるいは、基礎実験等に広く応用の道が開かれると思われる。一方、臨床的応用に関する研究では、protein 1が、prostateからも産生されていることを新たに見出した。平成3年度の研究において、尿中濃度に顕著な男女差があることが見出され、1日蓄尿およびfractional clearanceの算定から、男性においては、腎泌尿路系のいずれかから尿中にprotein 1が分泌されている可能性が示唆された。そこで、成人男女の4分配尿を採取、尿中濃度の測定すると男性では、初期尿は平均81.4μg/lで第2分配尿からは急速に低下し終末尿では2.3μg/lであり、一方、女性は4分配尿共に濃度は低く、0.7〜0.8μg/lであった。以上の結果より、泌尿系組織からの分泌を疑い成年男子精漿中の濃度を測定したところ、平均1259.1μg/lときわめて高い値が得られた。更に手術時に得た泌尿組織を採取、破砕した液体についても検討した結果、前立腺中に高濃度のprotein 1が検出された。以上の結果から、成人男性尿は血漿と泌尿組織、特に前立腺由来のものから構成され一方、女性は血漿由来である。現在、分尿採取法により、尿中動態変化を血清とペアーで測定して、前立腺癌病態解析、腎系球体・尿細管障害への有用性を検索中である。また、肺胞洗浄液中にもその存在を認めており、肺疾患との関連性についても追求中である。
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