看護婦の看護業務のエネルギ-消費量(kcal)が高いと云う実態を踏まえ、各病棟の勤務別によって、看護婦の消費するエネルギ-量(kcal)に、どの位の差があるのかを調査し以下のような結果を得た。 調査病棟は北里大学東病院3病棟の看護婦を対象にし(A精神科病棟、B消化器外科病棟、C慢性内科病棟、以下ABCと云う)各勤務別のエネルギ-消費量の測定をした。調査期間は平成3年7月より平成4年1月まである。方法は、日勤・準夜・深夜の勤務毎のタイムスタディをおこなうと共に、自由時間の観測を被験者が記録し実施した。24時間ホルダ-心電計(マルケット ホルタ-レコ-ダ8500 TOKIBO)を装着し、看護業務毎の心拍数平均値より酸素消費量を求め、エネルギ-代謝率(以下、RMRと略す)を算出した。RMRより消費エネルギ-(kcal/体重1kg/分)を求め、看護業務毎のエネルギ-消費量(Kcal)を算出した。身体的特徴は、年齢23.5±1.3、身長161.4±2.6、体重50.8±4である。病棟別の3シフトに於てエネルギ-消費量(kcal)の最も高かったのは、日勤では2190kcal(B)、準夜は1898kcal(B)、深夜は2278kcal(B)であり、平均及び標準偏差は日勤2028±58.7、準夜1836.4±36.7、深夜2085.5±85.7、である。自由時間のエネルギ-消費量の平均及び標準偏差は1546.0±178.3であり、1日のエネルギ-消費量(kcal)の平均及び標準偏差は、3143.8±230であった。今年度測定した、病棟看護婦のエネルギ-消費量値は沼尻の報告より遥かに高く、一般男子の事務職よりも、高いと言うことを検証する一助となった。 本成果は第65回日本産業衛生学会に於て報告する予定である。
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