看護婦の看護業務のエネルギー消費量(kcal)が高いと云う実態を踏まえ、北里大学病院、北里大学東病院の病棟看護婦の勤務別によって、看護婦の消費するエネルギー量(kcal)に、どの位の差があるのかを調査し以下のような結果を得た。 北里大学病院7病棟の病棟看護婦(A学童病棟、B眼科病棟、C外科病棟、D混合病棟、E脳神経病棟、F循環器病棟、GICU病棟看護婦を対象)北里大学東病院(H精神科病棟、I消化器外科病棟、J慢性内科病棟看護婦を対象)の各勤務別のエネルギー消費量の測定をした。調査期間は平成2年7月より平成4年11月まである。方法は、日勤・準夜・深夜の勤務毎のタイムスタディをおこなうと共に、自由時間の観測を被験者が記録し実施した。24時間ホルダー心電計(マルケット ホルター レコーダ8500 TOKIBO)を装着し、看護業務毎の心拍数平均値より酸素消費量を求め、エネルギー代謝率(以下、RMRと略す)を算出した。RMRより消費エネルギー(kcal/体重1kg/分)を求め、看護業務毎のエネルギー消費量(Kcal)を算出した。身体的特徴は、年齢25.2±1.2、身長161.9±3.9、体重50.8±6.2である。病棟別の3シフトに於てエネルギー消費量(kcal)の最も高かったのは、日勤では1976kcalの循環器病棟看護婦、準夜は1867kcalの脳神経内科病棟看護婦、深夜は1991kcal精神科病棟看護婦である、平均及び標準偏差は日勤1870.4±69.0、準夜1784.0±71.0、深夜1936.6±54.7である。自由時間のエネルギー消費量の平均及び標準偏差は1546.0±178.3であり、1日のエネルギー消費量(kcal)の平均及び標準偏差は、3143.8±230であった。今年度測定した、病棟看護婦のエネルギー消費量値は沼尻の報告より遥かに高く、一般男子の事務職よりも、高いと言うことを検証する一助となった。
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