研究課題/領域番号 |
02454514
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研究機関 | (財)冲中記念成人病研究所 |
研究代表者 |
柴芝 良昌 冲中記念成人病研究所, 主任研究員 (00072596)
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研究分担者 |
小田島 律子 冲中記念成人病研究所, 研究員
今井 由美 冲中記念成人病研究所, 研究員
清水 多恵子 冲中記念成人病研究所, 主任研究員 (00111097)
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キーワード | 眼球突出 / 限局性粘液水腫 / ヒアルロン酸 / プロテオグリカン / IgG |
研究概要 |
〈背景〉バセドウ病では眼球突出症や前脛骨部限局性粘液水腫を合併することが希ではない。この病変の開因は今だ明らかではないが、病変部にヒアルロン酸やプロテオグリカンが畜積している可能性が組織化学的検査によって示されている。我々はこれらの畜積を化学的に解析してその特徴を明らかにする共に、線維芽細胞によるこれらの合成がどのように調節されているかを調べることにした。〈目的〉眼窩後組識線維芽細胞がどのようなglycosaminoglycan(GAG)やプロテオグリカンを作るか、またこの合成にバセドウ病IgGが影響するかどうかを検討した。〈方法〉眼窩外傷患者の手術時.及びバセドウ病眼症の手術時(オリンピアクリニック井上眼科)に組織片を得.線維芽細胞を分離して培養しconfluencyになった後.培養液を0.1%BSAを含む以外に他の血清成分を含まないものに変え.正常IgG、バセドウ病眼症IgG2mg/mlを加えて72時間培養し、最後の24時間.^3Hーグルコサミン、^<35>SO_4と培養したGAGやプロテオグリカンを抽出し、^3H、^<35>Sの取り込みを調べ.その量から合成量を調べた。ヒアルロン酸の合成は培養液中に分泌されるヒアルロン酸の量をイムノラジオメトリックアッセイで測定した。皮フの線維芽細胞を14才女性の整形外科手術時に得.0.1%bsa以外に血清成分を含まない培養液にて検査すべきIgGと72時間培養した。〈成績〉眼窩後組織線維芽細胞は皮フ線維芽細胞と異なり.コンドロイチン硫酸を主体とする大きなプロテオグリカンを合成する。バセドウ病眼症の患者線維芽細胞は外傷例と比較してヒアルロン酸、プロテオグリカンとも大量に合成している。バセドウ病眼症IgGは眼窩後組織線維芽細胞に作用して大きいプロテオグリカンの合成を修飾し、眼局性粘液水腫患者のIgGは正常IgGと異なり、線維芽細胞に作用してプロテオグリカンの合成を刺激することが明らかとなった。
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