研究概要 |
平成2年度は,モルモットの免疫担当細胞に対するモノクロ-ナル抗体の作製を試みた。モノクロ-ナル抗体の作製の成否は,まず第一に適当なスクリ-ニング法を確立できるかどうかによるところが大きい。そこで,まずマウスの免疫担当細胞に対する抗体のスクリ-ニング法について検討した。ELISA用マイクロプレ-トの各ウエルをポリLーリジン(pLL)で被覆し,マウスの胸腺細胞あるいは脾臓細胞を付着させた。付着させた細胞をグルタ-ルアルデヒドあるいはホルムアルデヒドで固定した。あるいは,ELISA用マイクロプレ-トの各ウエルに胸腺細胞あるいは脾臓細胞を加え,自然乾燥させた。このようにして作製したELISA用マイクロプレ-ト上にて,抗Thyー1.2モノクロ-ナル抗体を用いたELISAをおこなったところ,特異的なELISA陽性反応が得られた。したがって,同様の方法により,モルモットにおいてもモノクロ-ナル抗体のスクリ-ニングをおこなうことが充分に期待される。 モルモットの胸腺細胞あるいは脾臓細胞をBALB/cマウスに免疫し,モノクロ-ナル抗体の作製を試みた。現在,多数のハイブリド-マが得られているので,上記のELISA法により,培養上清のスクリ-ニングをおこなっている。ごく最近,モルモットのT細胞に対するモノクロ-ナル抗体が市販されるようになった。このモノクロ-ナル抗体の特異性(認識エピト-プ)は不明であるが,このモノクロ-ナル抗体を入手して,モルモットにおけるT細胞の組織内分布,個体発生,モノクロ-ナル抗体が種々の免疫反応におよぼす影響を検索している。 今後,ウサギの免疫担当細胞を用いて,同様の研究を進めていく予定である。
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