研究概要 |
1プログラム作成 これまでの循環機能のパラメーターに加えて呼吸機能の変化も同時に観察するため、V_E、V^^・_<O2>,V^^・_<CO2>、およびRをbeat-by-beatに自動解析するためのプログラムを作成した。 2実験 成人男子延べ35人を対象にして、強度が20〜60%V^^・O_<2max>で、周期が1〜16分の正弦波運動負荷を行なわせ、循環および呼吸の各パラメーターについてbeat-by-beatあるいはbreath-by-breathに連続測定した。得られた主な結果は以下のとおりである。(1)呼吸パラメーターも循環パラメーターと同じく、負荷強度の変化にともなって正弦波状に変動した。 (2)応答の振幅は負荷の周期の増大にともなって大きくなり、両者の関係は指数関数モデルによってよく近似することができた。 (3)応答の遅れ時間は負荷の周期の増大にともなって延長し、両者の関係は指数関数と一次関数の複合モデルによって最もよく近似することができた。 (4)呼吸・循環の調節系には、慣性に相当する性質(=inertiality)と閾値に相当する性質があと仮定すると、応答の変動をよく説明することができる。 3.総合考察および結論 これまでの3年間の研究結果について総合的に考察し、以下の結論を得た。人の循環系や呼吸系の運動に対する応答特性は、inertialityと閾値によって特徴づけることができる。これらは体力の指標になるばかりでなく、健康の指標としての意義もあると考えられる。またこの二つのパラメーターは正弦波運動負荷テストによって求めることができる。
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