研究概要 |
加令による骨量低下の防止法の一つとして、若い時期での最大骨量を高めるが重要であると言われている。そこで、本研究では成長期のヒトおよびラットにおいて、最大骨量の増加に運動とCa摂取がいかに貢献するかを検討した。成長期のヒトでの横断的研究では、Ca摂取量と骨密度との間に明確な関係は認められなかった。しかし、成長期で運動習慣の乏しかった群(NA)、球技選手群(BA)、投擲選手群(TW)および長距離走選手群(DR)の間には差異がみられた。すなわち、DEXA法(g/cm2)とQCT法(mg/cc)で測定された腰椎(L)および大腿骨頭部(NECK;N.TRACHANTER;TR,WARRSーT;WーT)の骨密度はともにNA<BA<TWであり(DEXA法:腰椎、NA1.030,BA1.090,TW1.245,大腿骨、N、NA0.906,BA0.958,TW1.063;TR、NA0.700,BA0.769,TW0.911;WーT、NA0.909,BA0.961,TW1.059)(QCT法:腰椎、NA173,BA178,TW209)成長期での運動、特に重量負荷運動の有効性が示唆された。これに対して、DRの骨密度(DEXA法:腰椎、0.999、N0.906、TR0.769、WーT0.893)はNAよりもむしろ低い様子にあり、運動は量よりも質の重要性が推察された。次いで成長期のラットを用いて、13週間高Ca食+運動群、高Ca食+非運動群、普通Ca食+運動群および普通Ca+非運動群に分け、骨密度と骨Ca量を測定した。その結果、骨密度(g/ml)と骨Ca量(mg/ml)は、高Ca食+運動群で1.596と175、高Ca食+非運動群で1.538と165、普通Ca食+運動群で1.497と158、普通Ca食+非運動群で1.426と145であった。分散分析により、高Ca食と運動は骨密度と骨Ca量に有意な増加作用をもつことが示された。そして、特に高Ca食と運動の結合が有効であると示唆された。
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