研究概要 |
5週令のラットを13週間、高Ca(2%)ー運動群(HE)、高Caー非運動群(HS)、普通Ca(0.4%)ー運動群および普通Caー非運動群で飼育し、発育期の骨発達に及ぼすCaと運動の影響を基礎的に研究した。体重は運動群で非運動群よりも低かった。大腿骨湿重量は4群間で差がないが、骨密度および骨Ca量は共にHE>HS>NE>NSの順であった。血清1.25-(OH)2D3値は高Ca群で低下したが、血清Ca、P、Mgおよび血漿PTH量は4群間で差がなかった。また、大腿骨骨密度とCa量は、高Ca群では走行距離と関係が認められなかったが、普通Ca群では走行距離の増加にともない減少する様子(r=-0.592と-0.533、共に0,05<P<0.1)にあった。以上のことは、高Ca摂取と運動共に骨塩の発達に寄与するが、運動の効果はCaの十分な供給下で発揮されることを示唆している。 3群間の年令をそろえた一般家庭婦人、ゴルフキャディおよびジョーガー群について、DEXA法により腰椎および大腿骨近位部(Neck、Trach.、W-T)の骨密度を測定し、中高年婦人(46-62才)の骨塩量にたいする運動の効果を評価した。その結果、すべての測定部位において、3群間に差は認められなかった。次いで、一般家庭婦人とジョーガーについて、1ケ年間における骨密度変化を前記の部位で検討したが、すべての測定部位の変化量(%変化)は両群間で差がみられなかった。以上のことから、中高年における骨密度維持に必要な運動量は日常的な生活の中で十分確保されることも考えられる。
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