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1991 年度 実績報告書

ミトコンドリア蛋白質前駆体のミトコンドリアによる分子認識機構

研究課題

研究課題/領域番号 02454542
研究機関山形大学

研究代表者

斧 秀勇  山形大学, 医学部, 助教授 (40160915)

研究分担者 吉田 匡  山形大学, 医学部, 教授 (10004673)
キーワードミトコンドリア蛋白質前駆体 / 延長ペプチド / 輸送装置 / コンタクトサイト / 膜透過装置 / バイパス輸送 / ミトコンドリア
研究概要

ミトコンドリア蛋白質は核の遺伝子にコ-ドされているために、細胞質の遊離型ポリゾ-ムで前駆体として合成され、その後、ミトコンドリアへ輸送される。このミトコンドリア蛋白質前駆体のほとんどが、N末端に延長ペプチドを持つことが知られており、この延長ペプチドがミトコンドリア蛋白質前駆体の輸送過程で重要な役割、たとえば、輸送過程に要求される因子と互いに分子認識などを行っていると考えられる。そこで我々は、オルニチンアミノ基転移酵素前駆体の延長ペプチドをリガンドとしたアフィニティ-カラムを用いることにより、ミトコンドリア蛋白質前駆体輸送に要求される因子の精製を試み、細胞質より、28kDa targeting factorをミトコンドリア外膜より、29kDa、42kDa、及び52kDa蛋白質を前駆体蛋白質輸送装置として単離することに成功した。更にこれらの因子について研究を進めた結果、以下の知見を得た。
ミトコンドリア蛋白質前駆体がミトコンドリア内に輸入されるためには、まずミトコンドリア表面に前駆体が結合されることが必要である。この結合に関与していると考えられる28kDa targeting factor受容体はミトコンドリア表面をトリプシン処理することによって消化されることが示唆されている。しかしながら、このトリプシン処理によっても、29kDa、42kDa及び52kDa蛋白質は消化されないことがわかった。またトリプシン処理ミトコンドリアを用いて輸送実験を行ったところ、前駆体がミトコンドリアによる認識、結合の段階を経ることなしに、直接、ミトコンドリア膜(コンタクトサイト部)を透過し、ミトコンドリア内に輸入されるバイパス輸送が観察された。しかもこのバイパス輸送は、29kDa、42kDa及び52kDa蛋白質の抗体によって阻害された。従って、29kDa、42kDa、及び52kDa蛋白質はコンタクトサイト部に存在する膜透過装置の成分であると結論づけられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hideyu Ono: "Purification of the putative importーreceptor for the precursor of the mitochondrial protein" Journal of Biochemistry. 107. 840-845 (1990)

  • [文献書誌] Hideyu Ono: "Purification and identification of a cytosolic factor required for import of precursor of mitochondrial proteins into mitochondria" Archives of Biochemistry and Biophysics. 280. 299-304 (1990)

  • [文献書誌] Heidyu Ono: "Purification of 52 kDa protein:A putative component of the import machinery for the mitochondrial proteinーprecursor in rat liver" Biochemical and Biophysical Research Communications. 180. 450-454 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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