研究概要 |
1.pUB110のBamHlーEcoRl部位に好熱菌PS3チトクロムオキシダ-ゼ遺伝子断片(3.4Kbp、サブユニットIとIIを含む)を挿入して得たpUB110ー11より,その一部の遺伝子(200bp)をテトラサイクリン耐性因子の遺伝子で置きかえたプラスミドpUB11(Tc)を作成した。 2.このプラスミドをそのまま,好熱性細菌PS3およびB.stearathermoー<philus>___ーの2つの株(ATCC8005,1041株)にエレクトロポレ-ション法で導入する実験を行ったが、その効率はそれぞれ1,10^<1〜2>,10^<2〜3>/μgプラスミトと低かった。プラスミドをホモリガスリコンビネィションさせるため制限酵素で切断し,それを導入することを試みたが,テトラサイクリン感受性となった株はまだ得られていない。 3.エレクトロポレ-ションによる導入効率が低いため、より低い確立でしか起らない核DNAに組み換えた株が得られないのか,これらの株が核DNAの組み換えを起しにくいためのいずれかであろう。現在、遺伝子導入の効率化を果るために、プロトプラス法による導入を試みている。 4,培養時の通気量を変化させることにより,次の3つが末端酸化酵素として働くことがわかった。1)充分通気=チトクロム<caa>___ー_3,2)弱い通気制限=チトクロム<cao>___ー,3)通気制限を長く続ける=チトクロムb__ーー558である。このうち<cao>___ーはチトクロムa__ー_3の結合部位にヘムo__ー(新種)が結合したもので蛋白質部分は同じと思われる。一方,チトクロムb__ーー558は全く別の酸化酵素であり、チトクロム<caa>___ー_3(0)と独立に機能し得るのでチトクロ-ムオキシダ-ゼ(<ca>___ーa_3)/(<ca>___ー0)の遺伝子欠除は到死的にはならないであろう。しかし酸化直後の低さやエネルギ-効率の低さからそのコロニ-は小さいことが予想される。
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