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1992 年度 実績報告書

放射線などで誘起される突然変異生成の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 02454548
研究機関大阪大学

研究代表者

品川 日出夫  大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (40029799)

研究分担者 岩崎 博史  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (60232659)
キーワード突然変異 / DNA修復 / DNA組換え / DNAポリメラーゼ / polB遺伝子 / RuvAタンパク / RuvBタンパク / Holliday構造
研究概要

突然変異の誘発とDNA組換え修復に関与することが知られている,RuvA,RuvB,RuvC タンパクの生化学的性質を研究した。次に細胞内での役割が不明であるDNAポリメラーゼIIとそれをコードするpolB遺伝子の機能を研究した。本年度は以下の研究成果が得られた。
1.物理化学的解析により,RuvAは4量体,RuvBは2量体を形成し,両者はこの比率で安定な複合体を水溶液中で形成することを証明した。者はこの比率で安定な複合体を水溶液中で形成することを証明した。
2.RuvA-RuvB複合体は相同的組換えの中間体であるHolliday構造に特異的に結合して,DNA鎖の交換反応を触媒して.branch migrationを促進することを証明した。
3.polB遺伝子を完全に欠失した大腸菌を作成して,野性型株と紫外線感受性と突然変異能を比較したが,両者間には差がなかった。従って,DNAポリメラーゼIIは紫外線によるDNA損傷の修復にも,突然変異の誘発にも必要ないことが明らかにされた。
4.真核生物のDNA複製を阻害し,α型DNAポリメラーゼの阻害剤として知られているアフィディコリンは,DNAポリメラーゼIIのヌクレオチド重合活性は阻害するが,エキソヌクレアーゼ活性は阻害しないことを明らかにした。これらの結果は,DNAポリメラーゼIIが構造的にも,機能的にも,真核生物の染色体複製酸素であるα型DNAポリメラーゼとよく似ていることを示している。
5.α型DNAポリメラーゼのコンセンサス配列DIETをコードする領域のpolB遺伝子に部位特異的突然変異を起させると,その産物タンパク(変異型酸素)はDNA合成活性は野性型酸素と全く同じであるが,エキソヌクレアーゼ活性を全く失い,DNA複製のエラー〓正機能を全く失った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Ishino,Y.: "Aphidicolin inhibits DNA polymerizing activity but not nucleolytic activity of Escherichia coli DNA polymeraseII." Biochimie. 74. 131-136 (1992)

  • [文献書誌] Iwasaki,H.: "Escherichia coli RuvA and RuvB proteins specifically interact with Holliday junctions and promote branch migration." Genes & Dev.6. 2214-2220 (1992)

  • [文献書誌] Shiba,T.: "Escherichia coli RuvA and RuvB proteins involved in recombination repair: physical properties and interactions with DNA." Mol.Gen.Genet. (1993)

  • [文献書誌] Shinagawa,H.: "SOS-inducible recombination repair genes: Products of ruvA,ruvB,and ruvC genes are Holliday Junction specific enzymes. In Proceedings of 11th International Congress on Photobiology" Elsevier,Amsterdam, 5 (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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