研究概要 |
1.Recombinase分画特異性を各種の基質DNAを用いて測定した。すなわちpBR322のEcoRV位に100塩基を添加したmutl(Tc^s)とXmaIII位で4塩基対除去したmut2(Tc^s)のEcoRI部位に各種DNA断片を挿入し、これらをRecombinase分画と保温しTc^r出現頻度の変化をみた。ユリ減数分裂細胞酵素を用いた場合にはユリzygoDNA断片挿入で増加がみられたが、マウス酵素標品ではヒト肝炎ウィルス断片を挿入した時に組換え促進がみられた。この理由について検討中である。(マウス精母細胞では純粋なzygoDNAが得られていない。)2.Recombinase活性測定(1)に関連して、基質となるDNAとしてポリdG・dC(nonB型や3本鎖構造をつくる)を挿入したDNAを作成しアッセ-を行ったが、プラス効果は得られなかった。1の場合と併せて組換えのHot spotとなる塩基配列(DNA断片)について知見を収集している。3.ユリ花粉母細胞Recombinase分画に対する抗体の作成が進行中であるがまだ充分強力で特異性の高い抗体が生産されていない。4.Resolvaseの精製法を改良し、i__ーn <vitro>___ー実験に役立つものを得た。これによる活性測定を行っているが、体細胞組織から得たResolvase標品についてはさらに検討をすべき段階にある。5.ユリ花粉母細胞(減数分裂の各時期の)のプロトプラクトにDNAを取りこませ、遺伝子をtrans ientに発現させることを完了した。減数分裂中は減数分裂特異的プロモ-タ-を、体細胞では体細胞特異的プロモ-タ-を、遺伝子発現のために必要とするらしい。その一般性について確認中である。なおパ-ティクルガンによる導入方法も成功を収めている。平成2年度は継続実験であるRecombinase,Resolvaseの精製と抗体作成が進行したが、3年度にも継続する。遺伝子導入と発現についてはプロモ-タ-特異性という点で新知見が得られ、3年度での発展が予期されている。
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