研究課題/領域番号 |
02454563
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 (1991) 島根医科大学 (1990) |
研究代表者 |
坂根 剛 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40127519)
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研究分担者 |
岳野 光洋 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (50236494)
鈴木 登 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (40235982)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 全身性エリマト-デス / サイトカイン産生細胞 / CD4^+CD45RA^+T細胞 / 接着分子 / Tリンパ球ポリクロ-ナルな活性化 / 腎障害性抗DNA抗体 / 抗DNA抗体産生機序 / Bリンパ球ポリクロ-ナルな活性化 |
研究概要 |
ヒトCD4^+T細胞のサイトカイン産生性を調べた結果、正常者では自発的なサイトカイン産生は全く認められなかったのに対し、全身性エリテマト-デス(SLE)患者では、ほとんどの種類のT細胞由来サイトカインの自発的産生が認められた。しかし、特定のサイトカインの偏倚は認められず、いずれのサイトカインも等しく産生されていた。これらの成積は、SLE患者のCD4^+T細胞はin vivoの段階でポリクロ-ナルに活性化された状態にあり、結果として多彩なサイトカインが自発的に産生され、その一部がB細胞にも作用してB細胞を抗体産生細胞にポリクロ-ナルに駆動していることを示している。一般にCD4^+T細胞は、免疫応答に対して抑制的に働くサブセット(CD45RA^+)と補助的に作用するサブセット(CD45RO^+)に分類できる。SLE患者ではいずれのサブセットもin vivoの段階で活性化された状態にあり、しかも正常者のCD4^+CD45RA^+T細胞には表現されていない(例えばICAMー1)、あるいは低濃度にしか表現されていない(例えばLFAー1)接着分子を高濃度に表現したユニ-クなサブセットがSLE患者には存在することがわかった。さらに本来は抑制作用を示すCD4^+CD45RA^+T細胞がSLEではヘルパ-活性を示した。これらの成績はポリクロ-ナルなT細胞の活性化がB細胞のポリクロ-ナルな活性化に関わっていることを示している。しかし一方では、腎障害など臓器障害性に作用する抗DNA抗体は、抗原特異的な機序で産生されていると考えられる成績も得られた。すなわち、腎障害は陽性荷電の強いIgG型抗DNA抗体によって惹起されたが、この陽性荷電抗DNA抗体の軽鎖のN末端からのアミノ酸配列を解析したところ、胚細胞型免疫グロブリン遺伝子に多数の点突然変異が認められ、後者の仮説をよく支持した。
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