研究課題/領域番号 |
02455001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 彰 北海道大学, 文学部, 教授 (70000560)
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研究分担者 |
越野 武 北海道大学, 工学部, 教授 (70001146)
高井 宗宏 北海道大学, 農学部, 助教授 (20001456)
高田 誠二 北海道大学, 理学部, 教授 (10133696)
中野 美代子 北海道大学, 言語文化部, 教授 (00001777)
石坂 昭雄 北海道大学, 経済学部, 教授 (80000686)
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キーワード | 岩倉使節団 / 久米邦武 / 日本近代化 / 米欧回覧実記 / 学際的研究 / 明治維新 |
研究概要 |
明治初年の岩倉使節団の公式報告書『特命全権大使米欧回覧実記』(全100巻,5編5冊,明治11年刊)の研究は、本研究代表者田中彰の校注・解説による岩波文庫版『特命全権大使米欧回覧実記』(全5冊,1977〜82年刊,以下『実記』と略称)の刊行により研究の基礎がつくられた。この『実記』または岩倉使節団の歴史的研究は近年盛んになったが、その以外の分野からの学際的な本格的な研究は皆無に近い。本研究はそうした研究の空白を埋めようとするものである。本年度は10回前後の研究会を開き、以下の諸点につき共同研究を進めた。 1『実記』を編集・執筆した久米邦武の文書・史料(東京・久米美術館蔵)を調査し、次年度の共同研究の準備を進めた。 2『実記』の原稿作成過程の綿密な調査を行ない、その原稿作成過程の全容をほぼ解明しえた。 3『実記』を本共同研究の各メンバ-の専門分野から檢討し、その結果を研究会で報告し合い、共同研究のための共通な理解を深め、次年度における学際的研究の基礎をつくることができた。 4『実記』が関説している米欧12か国のうち、数か国の外国人研究者(現在5〜6名)と連絡をとり、今後における国際的な共同研究の条件をつくることができた。 5『実記』の内容檢討を共有するための索引づくりの可否を討議し、その一部(例えば、人名・地名・科学技術項目等)の索引を作成した。 6以上の諸調査・諸作業の結果、学際的な立場から『実記』の総合的な研究を次年度で行ない、この『実記』の共同研究を通して、日本の近代化ないし明治維新について、従来の視角とはやや異なる視座からの分析を行なうため、共同研究の課題を各自が設定し、次年度に備えた。共同研究の成果は平成4年度には公刊する予定である。
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