研究概要 |
大雪山の黒岳石室周辺,および旭岳への登山道周辺に雨量計,地温計,気温計を設置し,登山道周辺での気象条件の通年観測を実施している。また,同じ地域に登山道をはさんでアルミ・アングルを埋めこんで基準点を設け,基準点からの登山道表面の低下量を測定することによって,登山道での土壌侵食深を測定している。 登山道への入込数の調査は,当初,夏季シ-ズン中の動態調査を計画していたが,補助金の交付時期が遅れたため不可能になった。このため,大雪山の各登山口で営林署が管理している登山者名簿を収集し,それを集計することによって,各登山口別の入込数を明らかにした。営林署によっては,何年分かの登山者名簿が得られたので,年による入込数の変動を明らかにすることができた。今後,各年の天候などとの関連をもとめて,入込数の変動要因を検討する予定である。 1989年に予察的に行なった観測結果と,比較のために青森県八甲田山で行なった研究の成果をまとめて「森林航測」16巻1号に発表したほか,1990年の調査については,日本地形学連合1990年度秋季大会でその成果の一部を発表した。
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