研究課題/領域番号 |
02455003
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小野 有五 北海道大学, 大学院環境科学研究科, 教授 (70091890)
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研究分担者 |
加藤 峰夫 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (20214405)
浅川 昭一郎 北海道大学, 大学院環境科学研究科, 助教授 (00109505)
伊藤 浩司 北海道大学, 大学院環境科学研究科, 教授 (00001412)
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キーワード | 国立公園 / 収容力 / 土壌侵食 / 保全 / 管理 / 自然環境 / 混雑度 / 登山道 |
研究概要 |
平成2年度の動態調査により、大雪山国立公園のなかで最も観光客や登山者の入込数が多いことが明らかになった黒岳周辺と旭岳周辺において、平成2から4年まで登山道沿いに土壌ピンを埋設し、3年間にわたって登山道の侵食量を測定した。このデータと、各測点を通過する観光客・登山者の人数から、人為的インパクトの定量化を行なった。 また動態調査の結果にもとづいて、平成3年度にシミュレーション・モデルを構築し、平成4年度にはこれは用いて、シミュレーションを行なった。シミュレーションの結果と、平成2〜4年度に行なった現地での聞きとり調査、アンケート調査との結果をあわせ、登山者が実際に感じている心理的混雑度と交差数による物理的混雑度との比較を行ない、登山道での初めて混雑度を定量的に把握することができた。 以上のデータは国立公園、とくに大雪山のような山岳地域の国立公園では初めて獲られた成果であり、これをもとに、大雪山国立公園での収容力を論じるための基礎的データがそろったと言える。また登山道での土壌侵食データからは、登山道の侵食に傾斜、表層地質、融雪水などが大きな影響を与えていることが明らかになり、登山道を保全していくために具本的方策を考えることが可能になった。 これら全体の結果を総合して、本研究では大雪山のような原始的山岳地域を中心とする国立公園の管理・保全体制をどのようにすべきかについて、現状の管理・保全体制の問題点とあわせて指摘し、今後のあるべき姿について具体的提言を行なうことができた。
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