研究課題/領域番号 |
02455010
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
木俣 美樹男 東京学芸大学, 教育学部附属野外教育実習施設, 助教授 (90014852)
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研究分担者 |
福家 眞也 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (20111487)
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キーワード | キビ / パ-ボイル加工 / 栽培植物の起原 / 栽培植物の伝播 / 系統分化 / もち・うるち性 / 脂肪酸組成 |
研究概要 |
1.キビの東方伝播におけるヒマラヤ南麓ル-トを検討するために、1989年のインド亜大陸調査によって収集した30(+7)系統について栽培試験を行った。インド・ビハ-ル州の系統は出穂までの日数・第1節間の有毛性・分けつ数・雌ずいの色・穂型・草丈・出葉数等において変異は低かったが、パキスタンの系統はすべての形質において変異が著しかった。今日までのデ-タと比較して、ビハ-ル州の系統は形態的にはインドの他地域の系統と近く、ネパ-ルの系統とは遠いことが明らかになり、キビの伝播におけるヒマラヤ南麓ル-トはビハ-ルまでは南下していなかった可能性が推測される。2.栽培系統18・野生系統5の間で交雑試験を行った。開花期を合致させ得た系統間で30組み合わせの交雑が実施でき、このうち10組み合わせにおいてF1種子が得られた。日本の系統はインド・韓国・中央アジアの系統と交雑できたが、ヨ-ロッパの系統とは交雑できなかった。また現在の所、野生系統と交雑できているのは日本の系統のみである。3.パ-ボイル加工の効果については9種11系統の穀類を栽培し、供試材料を得て、籾すり・精白歩合の物理的測定を行い、ヒエについてはその効果が示唆された。胚乳内へのアミノ酸の浸透については分析を進めているところである。4.電気泳動法によるエステラ-ゼ等の変異については予備実験においてヨ-ロッパの系統とアジアの系統において異なるザイモグラムパタ-ンが一部認められている。5.キビ種子の脂肪酸組成について、もち性系統3・うるち性系統6につき予備実験を行ったところ、うるち性系統のほうがもち性系統よりも脂質含量が高く、オレイン酸含量も同じ傾向が認められた。オレイン酸とパルミチン酸の含量間には高い負の相関が認められ、オレイン酸とリノ-ル酸の含量間の相関からキビの系統分化を明らかにし、伝播ル-トを推定できる可能性が示唆された。
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