研究課題/領域番号 |
02455010
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
木俣 美樹男 東京学芸大学, 教育学部・附属野外教育実習施設, 助教授 (90014852)
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研究分担者 |
福家 眞也 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (20111487)
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キーワード | キビ / パ-ボイル加工 / 栽培植物の起源 / 裁培植物の伝播 / 系統分化 / モチ・ウルチ性 / 脂肪酸組成 |
研究概要 |
(1)ユ-ラシア各地のキビ70系統とテスタ-6系統(花粉親)との間の交雑実験は、実施できた77組み合わせ中33でF1種子を得た。この2年間の結果では、中央アジア産の系統は日本とモンゴルの系統で、ヨ-ロッパ産はヨ-ロッパのほか中国・インドの系統で、中国産は日本・ヨ-ロッパ・インドの系統で、日本本州産は日本の他中央アジア・インドの系統で、インド産はインドの他日本北海道・ヨ-ロッパの系統で、日本北海道産は韓国の系統でF1種子ができている。これらのF1種子のうち、日本と韓国・インド間およびフランスと韓国間の組み合わせで不発芽またはネクロ-シスが見られた。(2)雑草性の系統は日本本州産との間でのみF1種子を得ているが、96%以上の花粉稔性を示した。(3)アフダニスタン・パキスタン・インド・ネパ-ル・バングラディシュ産189系統の17形質についての地理的変異を比較したところ、インドとネパ-ルの系統はいくつかの形質において変異内容が違い、アフガニスタン・パキスタンからヒマラヤ南麓をネパ-ルへ東進、あるいはデカン高原へと南下する過程で品種分化が生じた可能性が示唆された。(4)パ-ボイル加工の効果についての比較実験では、雑穀の種による差異があり、たとえばアワにおいてはパ-ボイルすることによってモミすり効率が著しく高まり、未熟種子は砕けにくくなった。(5)ガスクロマトグラフイ-による種子含有脂肪酸組成の分析を19系統について行ったところ、総脂肪酸量は約5%で系統間差が少なく、中性脂質含有率はウルチ系統が若干高く、極性脂質はこの反対の傾向が認められた。中性脂質の脂肪酸組合のうちパルミチン酸に関してはウルチ系統はモチ系統よりも低いことが示された。(6)以上の結果のほか種子のアミノ酸組成・アイソザイムの分析は続行中である。
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