研究概要 |
1.モデル膜としてジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)のリポソ-ムを用いた。DPPC二分子膜の相転移温度におよぼす圧力効果により,二分子膜状態に関する温度一圧力相図を作成した。液晶相,波型ゲル相,平板型ゲル相の他に高圧力下でInterdigitated相の存在を確認した(材料,41,336(1992)).また,DPPc二分子膜のInterdigitated相の出現におよぼすアルコ-ルと圧力の効果を明らかにした(第32回高圧討論計講演要旨集P.424(1991)). 2.6種類の局所麻酔薬選択性電極を開発し,ネルンスト応答の濃度範囲,pHおよび共存イオンの影響が明らかになった(Bull.Chem.Soc.Japan,64,3029(1992).開発された電極を用いて,局所麻酔薬と人血清アルブミンと相互作用やミセルへの可溶化現象の解析に利用できることを示した(第44回コロイドおよび界面化学討論会構演要旨集,P400,474(1991). 3.ミトコンドリア膜電位の変化を簡単に測定することのできるテトラフェニルホスホニウムイオン選択性電極を開発した。(Anal.Lett.,24,295(1991))さらに電極性能の改良をはかり10^<-7>〜10^<-2>mol/dm^<-3>の濃度範囲でネルンスト応答が得られるようになった(ポ-ラログラフィ-,37,65(1991))この電極を用いてチアジアゾ-ル誘導体によるミトコンドリアのエネルギ-代謝への薬理活性を検討している。
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