• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1990 年度 実績報告書

胸部大動脈遮断時の磁気刺激による脊髄運動路機能モニタ-に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02455020
研究機関横浜市立大学

研究代表者

奥村 福一郎  横浜市立大学, 医学部, 教授 (50028487)

研究分担者 安藤 富男  横浜市立大学, 医学部, 助手 (00193110)
山口 益弘  横浜国立大学, 工学部, 教授 (10018046)
キーワード運動誘発電位 / 運動路機能 / 脊髄虚血 / 大血管手術
研究概要

頭蓋外からの磁気刺激による運動路機能モニタ-を麻酔下の動物に適用し、以下のような知見を得た。
実験動物としてイヌおよび家兎を用い、麻酔はケタミン筋注と少量のペントバルビタ-ル静注により導入し、原則としてケタミン静注により維持した。磁気刺激装置としては、山口らの開発したピ-ク磁界強度3テスラ、パルス持続時間1ミリ秒のものを用いた。外径8から20cmの刺激用コイルを用いて、頭蓋、頚椎、腰椎、大腿部を磁気刺激し、前肢と後肢の誘発筋電図を導出した。
大腿部、腰椎部の刺激により後肢筋については多相性の誘発筋電図が得られ、頚椎部の刺激では上肢帯の運動が認められた。これに対して、頭蓋、頚椎部の磁気刺激では後肢筋の誘発筋電図は得られなかった。すなわち、この条件では中枢神経の運動路は刺激されていないと考えられた。イヌにおいては、刺激コイルと脳表との距離を短縮するため、頭皮下の筋層を除去し、コイルを頭頂骨に密着した状態でも刺激を行った。この方法では、3頭中1頭で上肢に誘発筋電図が得られたが、残り2頭では上下肢ともに誘発電位は得られなかった。刺激部位、方向、刺激コイルの形状、大きさを変えて検討したが、頭蓋刺激により再現性よく誘発電位を測定することはできなかった。
以上より、再現性のある運動誘発電位が得られなかった原因として、実験動物の頭蓋骨が厚く十分な磁場が得られないこと、麻酔薬の影響などが考えられた。麻酔下の動物で脳脊髄の磁気刺激による誘発電位を評価する実験モデルを作製するには、今後、磁界強度を増すなどの刺激装置の改良とともに、実験動物の変更(ネコ、サル)も検討する必要があると思われる。

URL: 

公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi